自宅での学習を「出席扱い」にするには

窓辺の机で学ぶ子どもの後ろ姿の水彩イラスト いまの学校がつらいとき

お子さんが学校を休んでいる間、家で勉強を続けていると、「この学習は、学校の出席として認めてもらえないのだろうか」と考えることがあると思います。進級や進学のことが頭をよぎると、欠席が続く記録は気がかりです。

自宅での学習を、在籍する学校の「出席扱い」にする仕組みは、実際にあります。文部科学省が示している考え方にそって、学校が認めれば、家庭での学習を出席として記録できます。ただし条件があり、認めるかどうかを決めるのは学校です。

このページでは、その仕組みと、認められるまでの流れ、学校への相談のしかたを順に整理します。要件は文部科学省の通知をもとにし、出典と確認日を末尾にまとめました。

先に結論:自宅学習は出席扱いにできます

自宅でICT(パソコンやインターネット、遠隔の教育システムなど)や、郵送・FAXなどを使って学習した場合、一定の条件を満たすと、在籍する学校で出席扱いとして認められます。文部科学省が全国の教育委員会に向けて示している考え方です。この仕組みの対象は、義務教育段階(小学校・中学校など)で不登校の状態にある子どもです。

認められるための主な条件は、次のとおりです。

  • 保護者と学校が、十分に連携・協力していること
  • 訪問など、対面での指導が定期的・継続的に行われること
  • 子どもの理解の程度に合わせた、計画的な学習であること
  • 校長が、学習の状況を十分に把握していること
  • 基本的に、学校外の公的機関や民間施設では相談・指導を受けられないような場合の学習であること

そして、いちばん大切なのはここです。出席扱いにするかどうかを決めるのは校長で、家庭で使う教材やサービスではありません。「この教材を使えば出席扱いになる」とうたう案内を見かけても、最終的に判断するのは在籍する学校です。

だから、出発点はいつも同じになります。まず担任の先生に「うちの場合、どうすれば出席扱いにできますか」と相談するところから始まります。

制度の根拠:文部科学省の通知

この仕組みの根拠は、文部科学省が出している通知です。令和元年(2019年)10月に出された「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知で、不登校の子どもの支援について幅広く示されています。そのなかで、出欠の扱いは二つに分けて書かれています。学校の外の場に通っている場合が「別記1」、自宅での学習の場合が「別記2」です。このページで扱う自宅学習の話は、この別記2にあたります。先ほどの条件は、そこに書かれているものです。

通知には、もう一つ大事な点があります。学習の成果を成績に反映する場合は、その学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らして適切だと判断されることが求められる、という点です。つまり、家で勉強していれば自動的に出席や成績になるのではなく、学校がその中身を見て、学校の学びとつながっていると確かめる前提になっています。

要件の細かい文言は、通知の原文で読めます(末尾にリンクを載せました)。ここで押さえておきたいのは二つです。出席扱いは制度としてきちんと存在すること。そして、学校が中身を把握したうえで判断する前提になっていること。この二つがわかっていると、学校との相談が進めやすくなります。

フリースクールなど、学校の外の場に通っている場合

家庭での学習だけでなく、フリースクールや教育支援センターなど、学校の外の場で相談や指導を受けている場合も、それを出席扱いにできる考え方があります。先ほどと同じ令和元年(2019年)10月の通知の「別記1」に、不登校の子どもが学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合の出席扱いの取り扱いが示されています。

この場合も、認めるかどうかを判断するのは在籍する学校の校長です。民間施設については、文部科学省がガイドライン(試案)を参考に判断の目安を設けることが望ましいとしており、学校と施設が連携しているかどうかも見られます。施設に通えば必ず出席扱いになる、というものではなく、学校がその活動の内容を把握して判断する点は、自宅学習の場合と同じです。

具体的にどんな形なら認められるかは、通っている(または通おうとしている)施設の種類や、地域の運用によって変わります。まずは在籍する学校に、その施設での活動を出席扱いにできるか相談するのが確実です。

認められるまでの流れ

実際に出席扱いが認められるまでには、いくつかの段階があります。学校によって進め方は違いますが、大きな流れはおおむね次のようになります。

  1. 担任に相談する — まず担任の先生に、家庭での学習を出席扱いにしたい意向を伝えます。ここが出発点です。
  2. 学習の計画を共有する — どんな教材で、どのくらいの頻度で、何を学ぶのかを、学校と一緒に整理します。計画的な学習であることが条件の一つなので、ここは丁寧に話しておくと後がスムーズです。
  3. 対面での指導の形を決める — 家庭訪問や放課後の登校など、直接会って様子を確かめる方法を相談します。通知が求めているのは「訪問等による対面指導」なので、オンラインでのやりとりは、学習の様子を共有する手段としては役立ちますが、それだけで対面指導の代わりになるとは限りません。どこまでが対面指導にあたるかは、学校に確かめてください。
  4. 校長が判断する — 学校の中で情報が共有され、最終的に校長が出席扱いにするかどうかを判断します。
  5. 学習の状況を続けて共有する — 認められたあとも、学習の記録や様子を学校に伝え続けます。学校が状況を把握できていることが、出席扱いを続ける前提になります。

学校の側からお伝えすると、これは担任が一人で抱えて決められることではなく、学年主任や管理職も交えて相談していくのが一般的です。そのぶん、返事にある程度の時間がかかることもあります。すぐに答えが出なくても、それは手続きを丁寧に進めているためだと受け取ってもらえたらと思います。

学校への相談のしかた

最初の相談では、かまえなくて大丈夫です。いま困っていることと、家でどう過ごしているかを伝えれば、話は始まります。次のような聞き方が使えます。

担任の先生にたずねるとき

  • 「家での学習を、出席扱いにすることはできますか」
  • 「出席扱いにするには、どんな条件や手続きが必要ですか」
  • 「どんな教材や記録を用意しておくと、相談しやすいですか」
  • 「先生に、家庭訪問やオンラインで様子を見てもらうことはできますか」

担任だけでは話が進みにくいと感じたら、スクールカウンセラーや市区町村の教育委員会にも相談できます。

教育委員会にたずねるとき

  • 「自宅学習の出席扱いについて、市の考え方や事例を教えてください」
  • 「学校とどう進めればいいか、相談に乗ってもらえますか」

どの聞き方も、うまく言おうとしなくてかまいません。「出席扱いにできますか」の一言からでかまいません。

よくあるつまずき

出席扱いの相談では、つまずきやすいところがいくつかあります。先に知っておくと、落ち着いて進められます。

一つ目は、教材から入ってしまうことです。「出席扱いに対応」とうたう教材はありますが、契約しても、それだけで出席扱いになるわけではありません。決めるのは学校です。教材は学習の手段の一つと考え、まず学校と話してから選んでも遅くありません。

二つ目は、学校外の場との関係です。文部科学省の通知では、自宅でのICT学習の出席扱いは、教育支援センターやフリースクールなど、学校外の場で相談・指導を受けられない場合に行う学習、と位置づけられています。近くにそうした場があるかどうかも含めて、どの形がいいかは学校と相談しながら決めることになります。ここは判断が分かれやすいので、担任や教育委員会に、地域での実際の扱いを確かめておくと安心です。

三つ目は、結果を急ぎすぎることです。出席扱いは、学校が学習の状況を続けて把握できることが前提です。一度認められたら終わりではなく、様子を伝え合う関係が続きます。だからこそ、はじめに無理のない学習の形を決めておくことが、あとで続けやすさにつながります。

まとめ:すぐに整えなくて大丈夫です

自宅での学習を出席扱いにする仕組みは、制度として用意されています。ポイントを整理すると、こうなります。

  • 自宅でのICT等を使った学習は、条件を満たせば出席扱いにできます
  • フリースクールなど学校外の場での活動も、出席扱いにできる考え方があります
  • 認めるかどうかを決めるのは、教材ではなく在籍する学校(校長)です
  • 出発点は、担任の先生に「どうすれば出席扱いにできますか」と相談することです
  • 保護者と学校の連携、対面での指導、計画的な学習、学校の状況把握が前提です

出席扱いの手続きを、今すぐ全部整える必要はありません。まずは担任の先生に、家での様子を伝えるところからで大丈夫です。制度の細かいところは、学校や教育委員会が、その学校のやり方に沿って教えてくれます。お子さんのいまの学びを、あわてずに、一緒に形にしていきましょう。

出典

いずれも取得日:2026-07-24

  1. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日付け 元文科初第698号)【別記2】「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」 — 出席扱いは在籍校の校長が判断。要件=(1)保護者と学校の十分な連携・協力、(2)ICT(PC・ネット・遠隔教育システム等)や郵送・FAX等の活用、(3)訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とし、定期的・継続的な支援、(4)理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラム、(5)校長が対面指導・学習活動の状況を十分に把握、(6)基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動、(7)成果を評価に反映する場合は学校の教育課程に照らし適切と判断されること。WebFetchで原文確認(2026-07-24) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00005.htm
  2. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日付け 元文科初第698号・初等中等教育局長)【通知本文】 — 学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合の指導要録上の出席扱いは別記1による。民間施設については「民間施設についてのガイドライン(試案)」(別添3)を参考に判断の目安を設けることが望ましい、と規定。※別記1の詳細要件は本文には展開されていないため、本記事は「校長判断・学校と施設の連携・活動内容の把握」の一般的な考え方に留めた。WebFetchで本文確認(2026-07-24) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm

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