別室登校とは——学校の中の居場所と、いまどのくらいあるか

学校の中にある小さな別室の水彩イラスト。窓の外に校庭の緑が見え、木の机と椅子、本棚、床に丸いラグとクッションが置かれている いまの学校がつらいとき

データ取得日:2026.08.14

学校の門までは行ける。でも、教室のドアが開けられない。そういう日が続くことがあります。

そんなとき、保健室や相談室など、教室とは別の部屋で過ごす形があります。「別室登校」と呼ばれるものです。このページでは、実際どのくらいの学校にあるのか、そこで何をして過ごすのか、そして気になる出席の扱いをどう確かめればいいのかを整理します。数字は文部科学省の資料をもとにし、出典と確認日は末尾にまとめました。

先に結論:公立中学校の4校に3校以上にあります

  • 校内の別室で過ごせる場所は、公立中学校の77.5%に置かれています(令和7年6月現在)。前の年は66.9%で、一年で大きく増えました
  • 「別室登校」は子どもの通い方を指す言い方、「校内教育支援センター」は学校が用意する場所と体制を指す言い方です
  • 授業を端末でつないで見る、AIドリルを使う、といった過ごし方の例が国の資料に載っています
  • 別室で過ごした日の出欠記録は、国の資料だけでは全国一律に断定できません。在籍校や教育委員会に確認してください

別室登校とは、どういう形か

教室には入りづらいけれど、学校までは行ける。そんなときに、校内の別室で過ごしながら登校する形を「別室登校」と呼びます。使われる部屋は、相談室、空き教室、保健室などさまざまです。

「校内教育支援センター」という言葉との関係

近ごろ「校内教育支援センター」という言葉を見かけます。国の資料では「校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)」と書かれています。別室登校と混ざりやすいので、先に整理します。

何を指す言い方か 定義
別室登校 子どもの通い方。教室ではなく校内の別室に行く形 国が定めた定義は見当たりません
校内教育支援センター 学校が用意する場所と体制。国が設置を進めている取り組みの名前 国の資料で説明されています

言いかえると、別室登校をしている子が使う部屋が、校内教育支援センターとして整備されていることがある、という関係です。

整備されていない場合もあります。空いている相談室や、保健室、図書館で過ごす形も、別室登校です。

その校内教育支援センターについて、国の資料にはこう書かれています。

学校には行けるが教室には入りづらい児童生徒や一旦不登校になったものの学校に戻りたいと思っている児童生徒に対しては、学校での居場所として校内の別室を利用した指導支援が有効な場合があります。

——文部科学省「COCOLOプラン取組事例集」(令和8年7月)より

続けて、こうも書かれています。

児童生徒が学校や教室に居づらくなったり、落ち着かない時など、不登校の兆候がある早期段階において学校内に安心して心を落ち着ける場所があり、児童生徒のペースで個別の学習支援や相談支援を行うことができれば、学習の遅れやそれに基づく不安も解消され、早期に学習や進学に関する意欲を回復しやすい効果が期待されます。

——同上

児童生徒のペースで」という言葉が入っているところが、この形の性格を表しています。

保健室登校とは、どう違うのか

よく並べて語られる言葉に「保健室登校」があります。

保健室登校には、日本学校保健会の調査による定義があります。

常時保健室にいるか、特定の授業には出席できても、学校にいる間は主として保健室にいる状態をいう。なお、保健室に隣接する部屋にいて、養護教諭が主に対応している場合も保健室登校とする。

——日本学校保健会「養護教諭の職務等に関する調査」より

この定義は、過ごす場所が保健室であることを軸にしています。保健室に隣接する部屋にいる場合も、養護教諭が主に対応しているなら保健室登校に含める、という書き方です。

一方「別室登校」のほうは、相談室や空き教室なども含めて使われる言い方です。ただし、こちらには国が定めた定義が見当たりません。両者の線引きも、国が示しているわけではありません。

ですから、名前で区別しようとするより、実際にどの部屋で、誰が見てくれて、どう過ごすのかを確かめるほうが確実です。

現場で見てきたこと(小学校の教員として勤務した学校での経験です)

私が勤務した学校では、保健室や図書館で過ごしている子が多くいました。どの部屋になるかは、その子が行きたいところ、という面もあります。

ただ、保健室には体調不良の子もやってきます。保健室の先生はその対応にあたりますし、病気がうつる心配もあります。そうした事情から、なるべく別の教室で、ということになるのだと思います。

保健室が使えないという意味ではありません。ただ、保健室は「具合が悪い子のための部屋」でもある、ということです。

どのくらいの学校にあるのか

前の年とくらべて、はっきり増えています。

公立小中学校の校内教育支援センター設置率の変化公立小中学校の校内教育支援センターの設置率は、令和6年が小学校35.9パーセント、中学校66.9パーセント、全国平均46.1パーセント。令和7年6月現在は小学校49.1パーセント、中学校77.5パーセント、全国平均58.7パーセント。いずれも前年から上昇している。校内教育支援センターの設置率令和6年令和7年6月10050035.949.1小学校66.977.5中学校46.158.7全体公立小中学校における設置率(%)出典:文部科学省「令和7年 公立小中学校の校内教育支援センター設置率」/最終確認 2026年8月10日

この数字は公立の小中学校についてのものです。令和7年6月現在の設置校数は15,874校。公立小学校が8,841校(49.1%)、公立中学校が7,033校(77.5%)です。全国平均は58.7%で、前の年の46.1%から大きく上がりました。

とくに公立中学校は、4校のうち3校以上に置かれていることになります。

ただし、地域による差がとても大きいです。都道府県・政令市別に見ると、設置率が100%のところがある一方で、15.7%というところもあります。県で見ても、80%台のところから20%台のところまで開いています。

そしてもうひとつ大事なことがあります。この数字は「学校のうち何%に部屋があるか」であって、「お子さんの学校にある確率」ではありません。 隣の学校にあっても自分の学校にはない、ということが起こり得ます。あるかどうかは、学校に直接聞くのが確実です。

なお、令和6年度に学校の中で専門的な相談・指導などを受けた不登校の小中学生は154,794人でした(前年度151,654人)。学校の外の機関で受けた121,375人より多い数です。

別室では、何をして過ごすのか

国の資料に、実際の学校の例が載っています。

ある中学校の一日の流れ

  • 登校報告・情報共有:支援員からの報告を受けて、職員室にいる在籍学年の教員が顔を出すようにしている
  • 授業・学級活動の様子を配信:教室と別室の個別ブースを学習用端末でつなぎ、授業を配信。板書をノートに写したり、理科の実験の様子を見たりする。学級活動の様子も見られる
  • AIドリルの活用:学年をさかのぼったり、在籍学年の内容を確認したり。プリント学習に向き合えないときでも、気持ちのハードルが下がり、短い時間でも学習できている
  • 様子の記録:支援員が毎日記録して学級担任に報告。1週間分をまとめて管理職や関係する教科・学年の教員と共有
  • 一日の振り返りシート:生徒が書いて支援員を通じて担任へ提出。担任がコメントを書いて返す

— 文部科学省「COCOLOプラン取組事例集」(令和8年7月)の取組事例より

部屋のつくりについても、工夫の例が挙げられています。

  • 人の目を気にせず学習に集中できる個別ブースと、少人数で学習できる場所を配置し、どこでどのように過ごすかを子ども自身が選べるようにしている
  • 観葉植物やソファーを置いたリラックスできる場所をつくり、学校で過ごす時間を増やせるようにしている
  • 登校したときに昇降口を通らず、外から直接その部屋に入れる入り口を設けている。決まった職員が常にいることで、子どもとの信頼関係ができやすく、保護者も安心できる

最後の「昇降口を通らずに入れる」は、細かいようで大きいところだと思います。人の目に触れる場面を、部屋のつくりのほうで減らしている例です。

ただし、これらは国が集めた「取組事例」です。どの学校でもこうなっているわけではありません。

現場で見てきたこと(小学校の教員として勤務した学校での経験です)

私が勤務した学校では、その部屋に専門の人はいませんでした。ついていたのは、養護教諭や図書館の先生、管理職などです。そもそも人手が足りないという事情もあります。

国の事例集に出てくるような、支援員が常にいて個別ブースがあって、という形ばかりではありません。実際にどんな部屋で、誰がついてくれるのかは、学校によって違います。

だからこそ、見学して自分の目で確かめる意味があります。

出席や成績は、どうなるのか

いちばん気になるところだと思います。ここは、分かることと分からないことを分けて書きます。

校内の別室で過ごした日の出欠記録について、現行の全国資料だけでは一律に断定できません。

記録方法や評価・進級への反映は、在籍校や教育委員会に確認してください。

学校には「指導要録」という公式の記録があります。その「出欠の記録」の欄について、国は次のように定めています。

欠席日数 出席しなければならない日数のうち病気又はその他の事故で児童が欠席した日数を記入する。 出席日数 出席しなければならない日数から欠席日数を差し引いた日数を記入する。

——文部科学省「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日・30文科初第1845号)別紙1より。中学校について定めた別紙2も同じ書き方です

この記載要領は、欠席日数と出席日数の関係を示しています。ただし、校内の別室で過ごした日をどのように記録するかまでは示していません。

そのため、別室登校の日が出席・欠席・遅刻・早退などのどの記録になるかを、国の資料だけから全国一律に判断することはできません。在籍校や教育委員会に確認してください。

「出席扱い」という言葉との違い

不登校の話題では「出席扱い」という言葉をよく聞きます。これは、学校に来ていない日を例外的に出席として扱う仕組みのことです。自宅でのICT学習や、学校外の公的機関・民間施設で相談・指導を受けた場合が当てはまります。この仕組みは「自宅での学習を「出席扱い」にするには」で扱っています。

別室登校は学校内で過ごす形であり、学校外施設や自宅学習の「出席扱い」制度とは前提が異なります。ただし、この違いだけで個々の出欠記録を一律に判断することはできません。

それでも学校に確かめておきたいこと

ここまでは、一日を単位とした出欠の話です。実際の運用では、次のような点が学校によって違います。

  • 午前だけ来た日や、途中で帰った日を、遅刻・早退としてどう記録するか
  • 中学校は教科ごとに先生が変わります。別室で受けた学習を、各教科の授業とどう結びつけるか
  • 成績(評定)をどうつけるか

現場で見てきたこと(小学校の教員として、以前かかわったときの例です)

私が以前かかわったときは、遅刻や早退の扱いでした。

成績については、できる子にはテストを受けてもらい、それを参考につけていました。ただし、授業に出ないと掴めないところは成績をつけられません。その点は、保護者の方にそのまま説明していました。

これはあくまで一つの学校での例です。学校によって違います。ただ、「成績のつけられる部分とつけられない部分がある」ことは、早めに聞いておいたほうが、あとで驚かずに済むと思います。

とくに成績は、出欠とは別の話です。指導要録には「各教科の学習の記録」という別の欄があります。成績のつけ方には国が示す学習評価の考え方があり、そのうえで実際の進め方は学校によります。中学校では進学を考えるときにも関わってくることがあるので、早めに、具体的に聞いておくと安心です。

なお、国の通知には校内の別室について、こう書かれています。

保健室,相談室及び学校図書館等を活用しつつ,徐々に学校生活への適応を図っていけるような指導上の工夫が重要

——文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)より

校内の別室を使うこと自体は、国も想定しています。

学校に、どう相談すればいいか

窓口は一つではありません。担任の先生が話しやすければ担任へ。話しにくい事情があれば、養護教諭(保健室の先生)やスクールカウンセラー、学年主任、教頭でも構いません。

先生の側から見ると(小学校の教員としての実感です)

保護者の方からは、まず相談してもらえるとありがたいです。

教員の側も、動きたくてもどこまで積極的に動いていいか分からないときがあります保護者の方の意向を教えてもらえると、とても助かります。

相談を受けたら、まずは学年や管理職に相談してから動き出します。担任が一人で抱えるのではなく、学校全体で共有して、学校全体でその子を見守っていくという形になります。

「担任の先生に言ったら迷惑ではないか」と迷う方がいます。ですが、上のとおり、先生の側は相談を待っていることもあります。そして相談は担任個人で止まるのではなく、学校の中で共有されて動きはじめます。

伝えるときは、「どうしてほしいか」まで添えると話が進みます。抽象的に「別室はありますか」と聞くより、具体的に聞くほうが早いです。

たずね方の例

  • 「教室に入るのがつらいようです。別室で過ごせる場所はありますか」
  • 「その部屋には、どなたがいてくださいますか。ずっと誰かいる形ですか」
  • 「何時から何時まで使えますか。午前だけ、といった使い方はできますか」
  • 「そこで過ごした日は、出欠の記録ではどう扱われますか」
  • 「学習はどう進めますか。授業の内容は、どんな形で受け取れますか」
  • 「成績はどのようにつきますか。進路に関わる部分も教えてください」
  • 「一度、見学させてもらえますか」
  • 「いまは無理に教室に戻す働きかけはせず、まず落ち着ける場所を確保したいと考えています」(=どうしてほしいかを伝える言い方

出欠と成績の二つは、あとで認識が食い違うと困るところです。口頭で聞いたら、いつ誰にどう言われたかを控えておくと、学年が変わったときにも役に立ちます。

学校の外にも、場所はあります

別室登校は、学校の中に居場所をつくる形です。ただ、学校の建物に入ること自体がつらい時期もあります。

そのときは、学校の外に、教育委員会が用意している場所があります。「教育支援センター(適応指導教室)とは——1日の流れと、通いはじめるまで」で、その中身と通いはじめ方をまとめています。

どちらが良い悪いではありません。国が示している支援の考え方にも、こうあります。

不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要

——文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)より

別室登校を、教室に戻るための通過点と考えることもできますし、そこが落ち着ける場所であるなら、そのまま過ごす形もあります。どのくらいの期間どう使えるかは、学校の体制によります。学び場を比べて考えたいときは「学び場を比べるときの確認項目」も手がかりになります。

今夜できることをひとつ挙げるなら、休んだ日数と気になっていることをメモに書き出しておくことです。あすの連絡や相談が、ぐっとしやすくなります。

教室以外の道をさらに広げて考えたいときは、授業のしかたごと不登校の子に合わせられる「学びの多様化学校」という正式な学校もあります。

この記事の出典

  • 文部科学省「令和7年 公立小中学校の校内教育支援センター設置率(都道府県・政令市別)」(令和7年6月現在)

https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_6.pdf (取得日:2026-08-14)

  • 文部科学省「COCOLOプラン取組事例集」(令和8年7月)

https://www.mext.go.jp/content/20260706-mxt_jidou02-000028870-002.pdf (取得日:2026-08-14)

  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(令和7年10月29日公表・令和8年1月16日一部修正)

https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf (取得日:2026-08-14)

  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm (取得日:2026-08-14)

  • 文部科学省「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日・30文科初第1845号)別紙1・別紙2

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/attach/1415186.htm (小学校・別紙1) https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/attach/1415198.htm (中学校・別紙2) (取得日:2026-08-14)

  • 日本学校保健会「養護教諭の職務等に関する調査」(保健室登校の定義)

https://www.gakkohoken.jp/book/H230040_siryo/ct/90/24_2p.html (取得日:2026-08-14)

制度や設置の状況は変わります。実際に検討するときは、通っている学校とお住まいの教育委員会で最新の内容をご確認ください。

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