公共職業訓練と求職者支援訓練の違い|教育訓練給付金・高等職業訓練促進給付金との見分け方

訓練そのものを受けたいのか、自分で選んだ講座の費用を補助してほしいのか、資格の学校に通う間の生活費が必要なのか。希望に加えて、雇用保険に入っていた期間、指定講座かどうか、所得、住んでいる自治体の条件で、使える制度が変わります。

離職者向けの公共職業訓練と求職者支援訓練は、受講料が原則無料です。テキスト代などは自己負担で、一部の公共職業訓練には受講料がかかります。名前の似た教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金は、訓練そのものではなく、お金の支援です。

2026年10月12日時点の情報です。

4つの制度の比べ方

公共職業訓練(離職者向け)

  • おもに受ける人:基本手当(失業手当)の受給資格がある人
  • 受けられるもの:受講料が原則無料の訓練。受講指示を受け、支給の条件を満たすと、訓練中の基本手当など
  • 窓口:ハローワーク

求職者支援訓練

  • おもに受ける人:基本手当の受給資格がない人
  • 受けられるもの:受講料が原則無料の訓練。支援指示を受け、条件をすべて満たすと職業訓練受講給付金
  • お金が出る時期:訓練中。1か月の区切りごとに申請し、初回の申請は原則として受講開始から2か月目
  • 窓口:ハローワーク

教育訓練給付金

  • おもに使う人:雇用保険に入っていた期間がある人(在職中も可)
  • 受けられるもの:自分で選んだ指定講座の費用の一部
  • お金が出る時期:一般・特定一般は修了後。専門実践は受講中も6か月ごと
  • 窓口:ハローワーク

高等職業訓練促進給付金

  • おもに使う人:20歳未満の子を育てるひとり親で、所得などの条件を満たす人
  • 受けられるもの:資格の学校に通う間の生活費
  • お金が出る時期:学んでいる間、月額で
  • 窓口:都道府県・市区町村
  • 注意:職業訓練受講給付金・訓練延長給付・教育訓練支援給付金を受けている間は、対象になりません(下の「ほかの給付との関係」)

訓練を受けることと、訓練中にお金が出ることは別の話です。同じ訓練でも、受講指示か支援指示か、条件を満たすかどうかで、お金の出方が変わります。

自分の状況から選ぶ

次の順に確かめてください。これは読む場所の案内で、受けられるかの判定ではありません。受けられるかを決めるのはハローワーク(高等職業訓練促進給付金は自治体)です。職業訓練そのものを初めて調べる人は、職業訓練とは・はじめての流れから読むと、自分に合うページが分かります。

  1. 今すぐ就職できる状態か病気・けが・妊娠・出産・育児・介護などで今すぐ就職できない人は、この分け方だけで判断しないでください。療養などの見込み期間と、求職の申込みをしたかどうかを伝えて、ハローワークで確かめてください。

  2. 今、働いているか(パート・派遣・契約社員・自営を含む)

    • 働きながら、自分で選んだ講座で学びたい:教育訓練給付金(雇用保険に入っていた期間が必要)
    • パートや派遣などで働きながら、正社員を目指して学びたい:働きながら受けられるオンライン訓練
    • 求職者支援訓練は、働いていれば自動的に受けられるわけではありません。雇用保険に入って働いている人は、原則として要件に当たりません(働きながら申し込めるか)
    • 前に辞めた仕事の基本手当の受給資格が残っているかもしれない人は、下の「分からない」と同じく、受給資格を確かめるところから始めます
  3. 働いていない人は、基本手当の受給資格で分ける
    • 受給資格があると確認できた(待期中・給付制限中・受給中を含む):公共職業訓練が中心(失業保険をもらいながら職業訓練を受ける)
    • 受給資格を確認中:受給資格の有無が決まるまで、窓口で相談しながら選んでください
    • 受給資格がないことを確かめた(加入期間が足りない・雇用保険に入っていなかった):求職者支援訓練が中心
    • 支給が終わった:受給資格の有無と、職業訓練受講給付金に移る手続きを、ハローワークで確かめてください
    • 分からない:まずハローワークで受給資格を確かめてください

ひとり親で、看護師・保育士・介護福祉士などの資格を6か月以上かけて取りたい人は、高等職業訓練促進給付金も候補になります。対象の資格や条件は自治体で違います。

コースの探し方

使う制度の見当がついたら、通えるコースを探します。次の3つで探せます。

  • ハロートレーニングコース情報検索:ハローワークインターネットサービスの「ハロートレーニングコース情報検索」で、分野や都道府県を選んで、全国のコースを探せます
  • 都道府県の委託訓練の案内:住んでいる都道府県や労働局のページに、委託訓練の募集一覧や募集予定が載っています。岐阜県なら岐阜県の募集一覧、東京都ならTOKYOはたらくネットの委託訓練のページです
  • ハローワークの窓口:住所を管轄するハローワークで、通える範囲のコースと、次の募集の時期を聞く

公共職業訓練と求職者支援訓練

公共職業訓練

  • 訓練期間:おおむね3か月〜2年
  • 実施するところ:国(ポリテクセンター)、都道府県、都道府県から委託を受けた民間の学校

求職者支援訓練

  • 訓練期間:2〜6か月
  • 実施するところ:厚生労働大臣の認定を受けた民間の学校
  • コース:社会人としての基礎を学ぶ「基礎コース」と、仕事に直結する技能を学ぶ「実践コース」

訓練期間と実施するところは、新潟労働局・ハローワーク「公的職業訓練ガイド」の説明です。

受ける人は、きっちり分かれてはいません。基本手当の受給資格がある人が、ハローワークの「受講指示」を受けて求職者支援訓練に通うことがあります。反対に、受給資格がない人が、ハローワークの「支援指示」を受けて公共職業訓練に通うこともあります(厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり」3・9ページ)。訓練中のお金は、訓練の名前ではなく、受講指示か支援指示かで変わります。

受講指示で受ける人のお金(基本手当の受給資格がある人)

基本手当の受給資格がある人が、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練など(求職者支援訓練の場合もある)を受けるときの扱いです。受講指示を出すかどうかを決めるのはハローワークです。受給期間などによっては、訓練中の給付を受けられないこともあります。

受講指示と訓練中の基本手当の詳しい説明を開く

受講指示には、訓練開始の前日時点の支給残日数について条件があります。ただし、残日数だけでは決まらず、訓練が必要かどうかなどもハローワークが判断します。受講指示を受け、失業の認定など基本手当の支給条件を満たす場合は、訓練中の基本手当の対象になります。訓練中に所定給付日数が尽きても、訓練が終わる日まで基本手当が延びる「訓練延長給付」の対象にもなります。

ただし、受給期間などによっては、訓練中の給付を受けられない場合があります。就職・就労・欠席・退校などで、支給の対象が変わります。受講指示で受ける間は、職業訓練受講給付金の対象ではありません。

希望のコースと開始日をハローワークに伝えて、自分に当てはまる条件、支給の対象になる期間、申告と認定の手続きを確かめてください。

受講指示を受けた基本手当の受給資格者には、受講手当・通所手当・寄宿手当という手当もあります。職業訓練受講給付金とは別の制度で、手当ごとの条件を満たす場合に出ます。

  • 受講手当:基本手当の支給対象日のうち、訓練を受けた日について日額500円(上限20,000円)。基本手当が出ない日は対象になりません
  • 通所手当:交通機関などで通い、認められた通所方法などの条件を満たす場合に、上限月42,500円
  • 寄宿手当:訓練のために、本人が生計を支えている同居の親族と別に住んで寄宿する場合に、月10,700円。一人暮らしを始めた・引っ越しただけでは対象になりません。失業認定の日に、受講証明書などを出す手続きがあります

支給の対象にならない日がある月は、通所手当・寄宿手当が日割りで減ります。対象になるかと金額は、ハローワークで確かめてください。

くわしくは雇用保険を受けている人のお金にまとめています。支給残日数の表も載せていますが、残日数を満たせば受講指示が出る、という意味ではありません。

支援指示で受ける人のお金(職業訓練受講給付金)

職業訓練受講給付金の共通の条件です。くわしくは職業訓練受講給付金の条件チェックにまとめています。受けられるかを決めるのはハローワークです。

基本手当の受給資格がある間(給付制限中を含む)は、職業訓練受講給付金は受けられません。初回の振込までには時間がかかり、その間の生活費は給付金ではまかなえません。支給額は、いつも満額とは限りません。事前審査が遅れると、支給が遅れたり受けられなくなったりすることがあります。初回の支給申請は、原則として受講開始から2か月目の指定来所日です。受講の申込みと一緒に、早めに相談してください。出席や来所の決まりを守らないと支給されないことがあり、繰り返すと、返還を求められることもあります。

給付金の条件・金額・申請の詳しい説明を開く

訓練を受ける要件と支援指示

求職者支援制度の訓練を受ける要件は、原則として次の4つです。

  • ハローワークに求職の申込みをしている
  • 雇用保険の被保険者・受給資格者でない
  • 労働の意思と能力がある
  • 職業訓練などの支援が必要だとハローワークが認めた

働いている人も、自動的に対象になるわけではありません。雇用保険に入って働いている人は、原則として要件に当たりません。

求職者支援制度で受講し、給付金を受けるには、ハローワークの支援指示(就職支援計画書の交付)が必要です。基本手当の受給資格がある人が受講指示で受ける場合は、上の基本手当の扱いになり、この給付金の対象ではありません。

支給の8つの条件

訓練の初日から1か月ごとの区切り(支給単位期間)ごとに、次のすべてを満たして初めて支給されます。

  1. 本人の収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月30万円以下
  3. 世帯の金融資産が300万円以下
  4. 今住んでいるところ以外に土地・建物を持っていない
  5. 出席の要件を満たす(下の「出席と指定来所日」)
  6. 同じ世帯で、同時に職業訓練受講手当を受けて訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に、偽りや不正な行為で特定の給付金を受けたことがない(どの給付が対象かはハローワークで確認)
  8. 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない(前に受けた最初の区切りの初日から数える)

収入・世帯・資産の数え方

  • 収入:手取りではなく税引き前。給与のほか、事業収入(個人事業と不動産賃貸は経費を差し引いた額)・年金・仕送り・養育費なども入ります。一部は算定の対象外です。年金などで、支払う時期が制度で決まっていて本人が変えられないものが複数月分まとめて支給されたときは、月数で割った額をその期間の収入として扱います
  • 養育費:原則として収入に入ります。ただし、客観的な書類によって、子の養育という特定の使い道のために支払われていると確認できる場合は除かれます。どの書類が当てはまるかはハローワークで確認してください。税や児童扶養手当など、ほかの制度と同じ扱いとは限りません
  • 児童扶養手当・児童手当:高知労働局が公開している「求職者支援制度に関するよくあるご質問」(2020年作成)では、特定の使い道のために支給される手当(児童扶養手当、児童手当など)は、収入の算定の対象外とされています。今回確かめた厚生労働省の「よくあるご質問」(2023年作成)には具体例がなく、「算定対象外としているものもある」とだけ書かれています。受け取っている人は、事前審査の前に、ハローワークで数えるかどうかを確かめてください
  • 世帯:住民票の世帯とは限りません。本人と、同居しているか生計が同じで別に住んでいる配偶者(内縁を含む)・子・父母です。20歳未満で学校に通っている子(就学前の子を含む)の収入は、0円とみなされます
  • 金融資産:預貯金だけでなく、現金・債券・株式・投資信託なども入ります

出席と指定来所日

  • 出席は区切りごとに判定します。訓練の全期間で8割あればよい、という意味ではありません
  • 実施日が決まっている訓練は、その区切りの訓練実施日すべてに出席していること。やむを得ない理由の欠席がある場合も、8割以上の出席が必要です。訓練実施日には、入校式・修了式・施設による就職支援などの日も入ります(本人の希望による計画外のものは除く)
  • eラーニングなど実施日が決まっていない科目を含む訓練は、日数ではなく時間数と所定の計算式で判定します。動画を倍速で見て、やむを得ない理由なく実際の受講時間が足りないと不支給です
  • やむを得ない理由は、ハローワークがあらかじめ決めた理由(本人の病気・けが、親族の看護・介護など)に限られ、証明書類が必要です。インフルエンザなどへの感染、親族の葬儀、ひとり親が小学生以下の子の急な病気・けがを看護する場合(本人の父母などが世帯にいないことなどの条件あり)は、訓練実施日から除ける場合があります
  • やむを得ない理由のない欠席があると、原則としてその区切りは不支給です。次の区切りからは、ほかの条件を満たせば支給されます。繰り返すと、以後の区切りも不支給になります
  • ただし次の人は、やむを得ない理由以外の欠席があっても、訓練の種類に応じた出席の要件(実施日の数または時間数の8割以上)と、ほかの条件をすべて満たせば、欠席に応じて減額して支給される場合があります。求職者支援訓練の基礎コースの人、小学生以下の子(障害のある子は18歳未満)を育てている人、要介護2相当以上の一定の親族を2週間以上にわたって常に介護している人です。これに当たらない人は「8割あれば減額で済む」わけではありません
  • 毎月の指定来所日に、ハローワークで職業相談を受けます。支給の申請もこの日です。やむを得ない理由で行けないときは、前もって連絡すれば日を変えられます。やむを得ない理由なく行かないと、次回以降の給付金が支給されません。上の減額の対象になる3種類の人はこの扱いから除かれますが、来所しなくてよくなるわけでも、支給が約束されるわけでもありません
  • 就職支援計画書の必須の求職活動をしないこと、紹介された求人の面接に行かないなど就職支援を正当な理由なく断ることも、不支給になります
  • 次のことを繰り返すと、支援指示の取消しや、訓練初日にさかのぼった返還命令がありえます
    • 理由のない欠席
    • 不来所
    • 必須の求職活動をしないこと
    • 就職支援の拒否
  • 休みそう・行けなさそうなときは、その前に(間に合わなければすぐに)ハローワークに連絡してください。出席率を自分で計算して、対象外だと決めないでください

金額

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当:経路に応じた所定の額(上限あり)
  • 寄宿手当:月10,700円。訓練のために同居の配偶者などと別に住んで寄宿し、その必要をハローワークが認めた場合だけ

区切りが28日未満のときは別に計算するので、いつも満額とは限りません。基本手当の受給資格がある間(給付制限中を含む)は受けられません。

収入が基準を超える人・過去に受けた人

  • 本人の収入(月8万円以下)か世帯の収入(月30万円以下)のどちらかを超えても、次の3つをすべて満たせば、通所手当だけ対象になる場合があります。本人8万円以下・世帯30万円以下の両方を満たす人は、この特例ではなく、職業訓練受講手当を含めて判定されます
    • 本人の収入が月12万円以下
    • 世帯の収入が月34万円以下
    • 上の3〜8と通所手当そのものの要件(認められる経路・方法など)を満たす
  • 職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当のいずれかを受けた場合(通所手当だけの場合を含む)、その最初の支給単位期間の初日から6年たつまでは、次の訓練でいずれの手当も受けられません(しおり9ページ)(例外は次の項目)
  • 過去6年以内に受けたことがあっても、やむを得ない理由で訓練を途中で退校した人は、受けたことがあるとはみなされません
  • 大規模災害の被災者、DVの被害者、住まいを失った人(訓練開始前までに安定した住居を持つ見通しが確認できる場合に限る)は、住所や世帯の確認書類について柔軟な扱いがあります。DVの被害者に限り、実際には別に住んでいて、配偶者などから月10万円を超える援助を受けていなければ、その人の収入・資産を世帯に含めません
  • 給付金の条件を満たさなくても、受講料無料の訓練を受けられる場合があります(教材費などは自己負担)

申請と初回の振込

  • 事前審査(出席以外の条件の審査。受講の申込みと同時にもできる)と、区切りごとの支給申請が必要です
  • 支給申請のたびに、その区切りの本人と世帯の収入と、事前審査のときからの世帯・資産などの変化を申告します
  • 初回の支給申請は、原則として受講開始から2か月目の指定来所日です
  • 振込は、支給決定から1週間〜10日程度が目安です。確認することがあると、支給決定までに日数がかかることがあります
  • 訓練が始まってから初回の振込までは、この給付金でまかなえない期間があります。その間の生活費は別に考えておく必要があります
  • 事前審査が遅れると、支給が遅れたり受けられなくなったりすることがあります。世帯全員の収入の証明などの書類と日程を、早めにハローワークで確かめてください

働きながら申し込めるか

訓練によって違います。東京都の委託訓練(離職者等再就職訓練)は、受講開始日に離職していることが条件です。育児等両立応援訓練は、育児・介護などの事情があれば、在職中でも対象になります(東京都の募集案内)。

求職者支援制度の対象者の例には、「すぐには転職せず、働きながらスキルアップを目指す人」も挙がっています(しおり1ページ)。在職中の人では、給付金を受けて受講する例に「一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職を目指す方など」、給付金を受けずに受講する例に「働いていて一定の収入のある方など」が挙がっています(厚生労働省「求職者支援制度のご案内」)。

ただし、例に当てはまっても、原則の4つの要件を満たすかは別に判定されます。雇用保険に入って働いている人が受けられる例外があるかは、このサイトでは確認できていません。雇用保険に入っているかを勤め先(派遣元)に確かめてから、ハローワークで相談してください。給付金は、ほかの給付や融資を受けていることを理由に止められたり減らされたりはしませんが(収入・資産の条件を満たさなくなる場合を除く)、ほかの制度の側で止められたり減らされたりすることがあります(しおり22ページ)。

併願の扱いも、地域と訓練で違います。東京都の委託訓練は、ほかの公共職業訓練と併願できません(東京都の募集案内)。

教育訓練給付金

教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座を自分で選んで受けると、費用の一部が支給される雇用保険の制度です。在職中の人も使えます。受講料は、まず自分で講座を行う学校に払います。どの給付にも上限額があり、全額は戻りません(ハローワーク「教育訓練給付制度」)。

給付率は、講座の種類と追加の条件で違います

  • 一般教育訓練:費用の20%
  • 特定一般教育訓練:費用の40%。目標の資格を取るなどして、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の一般被保険者等として雇われた場合(または雇われたまま受講して資格を取るなどした場合)は50%。50%は2024年10月1日以降に受講を始めた場合に限ります
  • 専門実践教育訓練:費用の50%。特定一般と同じような条件を満たすと70%。さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がると80%。80%は2024年10月1日以降に受講を始めた場合に限ります

使える人の主な条件

  • 受講開始日時点の「支給要件期間」が原則3年以上(初めて受ける人は、一般・特定一般が1年以上、専門実践が2年以上)。支給要件期間は、過去の雇用保険の加入期間をすべて足した年数とは限りません。転職前の期間を通算できるのは、原則として加入の空白が1年以内の場合です。過去に教育訓練給付金を受けた人は、そのときの受講開始日より前の加入期間は数えません。空白期間や過去の受給歴を伝えて、申し込む前にハローワークで確かめてください
  • 離職した人は、離職日の翌日から受講開始日までが原則1年以内
  • 受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けたことがある人は対象外
  • 特定一般と専門実践は、受講前にキャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認をする

支給申請の期限

  • 一般・特定一般:修了日の翌日から1か月以内
  • 専門実践:受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内(修了日のある期間は、修了日の翌日から1か月以内)
  • 追加分(特定一般の50%・専門実践の70%):資格を取った日か就職した日の遅いほうから1か月以内
  • 専門実践の80%:それまでの受給手続きを経たうえで、資格を取った日か就職した日の遅いほうから1年以内

在職中の人の起算日や必要な書類は、受講を申し込む前にハローワークで確かめてください。対象の講座は「教育訓練講座検索システム」で探せます。上限額や、そのほかの細かい決まりは、ハローワーク「教育訓練給付制度」に載っています。

専門実践を受ける人で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たし、訓練中に失業状態にある人には、「教育訓練支援給付金」という別の給付もあります(同じページ)。

自己都合で辞めた人:給付制限が解除される場合

正当な理由のない自己都合退職で基本手当の給付制限を受ける人は、所定の訓練を受けると給付制限が解除される場合があります(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」)。

対象は、2025年4月1日以降に受講を始めた所定の訓練(教育訓練給付金の対象講座・公共職業訓練など)を、離職前1年以内に受けた人(途中で退校した人を除く)か、離職後に受けている人です。所定の申し出をすると解除されます。7日間の待期は別に必要です。

重責解雇の人は対象外です。申し出が期限に遅れると、受け取れない期間が出ます。

  • すでに受講した・修了した人:受給資格決定のときにハローワークへ相談し、修了証明書などを出します(申し出は、原則として受給資格決定日か初回認定日まで)
  • これから受講する人:申し込む前に対象講座かどうかを確かめ、受講を始める前に申し出の期限(原則として受講開始日の直後の認定日まで。給付制限中に始める場合は別の期限があります)を確かめてください

給付制限の解除と、訓練延長給付は別の制度です。解除されても、延長されるとは限りません。

高等職業訓練促進給付金(ひとり親向け)

高等職業訓練促進給付金は、ひとり親家庭の母または父が、就職に有利な資格を取るために養成機関で学ぶ間、生活費を受け取れる制度です。窓口は住んでいる都道府県・市区町村で、ハローワークではありません。

国の実施要綱(こども家庭庁、2026年4月1日適用)の主な対象者は、次のすべてを満たす人です。

  • 20歳未満の子を育てるひとり親
  • 児童扶養手当を受けているか、同じくらいの所得水準(水準を超えても、その後1年間は対象)
  • 養成機関で6か月以上のカリキュラムを学び、対象資格の取得が見込まれる
  • 仕事や育児と、学ぶことの両立が難しいと認められる

対象資格の例には、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、作業療法士、理学療法士、歯科衛生士、美容師、社会福祉士、製菓衛生師、調理師、シスコシステムズ認定資格、LPI認定資格などが挙がっています。実際にどの資格を対象にするかは、都道府県などの長が地域の事情に合わせて決めます。

この給付金は、原則として同じ人には一度しか支給されません。准看護師を修了して続けて看護師を目指す場合などには例外があります。

継続給付金を実施している自治体では、受給中に子が20歳になっても、引き続き子を扶養していることなどの要件を満たせば、「高等職業訓練促進継続給付金」の対象になる場合があります(こども家庭庁「高等職業訓練促進給付金及び高等職業訓練促進継続給付金のご案内」)。

月額や支給期間は、住民税が課税かどうかや学ぶ期間で変わります。金額はこども家庭庁のご案内に載っています。要綱は、受給を希望する人の事前相談を行うよう、自治体に求めています。住んでいる自治体の事前相談で、金額と、過去に受けたことがある場合の扱いを確かめてください。

ほかの給付との関係

国の運営通知では、次のように決められています(こども家庭庁「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の円滑な運営について」)。

  • 職業訓練受講給付金、訓練延長給付、教育訓練支援給付金など、高等職業訓練促進給付金と趣旨を同じくする給付を受けている場合は、高等職業訓練促進給付金の対象になりません
  • 雇用保険の教育訓練給付金(講座の費用の一部が戻る給付)を受ける場合でも、高等職業訓練促進給付金は支給できます
  • 教育訓練支援給付金と高等職業訓練促進給付金は、支給額や支給期間を確かめたうえで、どちらかを選べます

職業訓練受講給付金の側は、ほかの給付を理由に止められません(収入・資産の条件を除く)が、ほかの制度の側で止められたり減らされたりすることがあります(しおり22ページ)。

いま受けている給付の正式な名前と支給期間を伝えて、申請の前に、住んでいる自治体とハローワークの両方で確かめてください。

求職者支援訓練は2〜6か月、高等職業訓練促進給付金は6か月以上の養成機関が対象です。どちらが合うかは、取りたい資格と学ぶ期間だけでなく、所得や自治体の条件、ほかの給付との関係でも変わります。

講座の費用の補助:自立支援教育訓練給付金

ひとり親向けには、指定講座の費用の一部を支給する「自立支援教育訓練給付金」もあります。受講を始める前に、自治体で講座の指定を受ける必要があります(実施要綱の別添1)。雇用保険の教育訓練給付金を受けられる人は、その額を差し引いた額が支給されます(運営通知)。金額と対象の講座は、住んでいる自治体で確かめてください。

託児つきの職業訓練もあります。大阪の委託訓練には、託児の定員があるコースや、ひとり親家庭の父母の優先枠があるコースがあります。東京都や岐阜の募集案内にも、託児つきのコースが載っています。

出典(2026年10月9日取得。一部は10月10日〜12日に追加取得・再確認)

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