職業訓練を途中でやめたらどうなる?給付金・失業保険への影響と、やめる前にやること

職業訓練は、途中でやめる(退校する)ことができます。やめると決める前に、訓練施設とハローワークの両方に連絡して、必要な手続きの説明を受けてください。

やめたあとのお金の扱いは、雇用保険の状況とやめる理由で変わります。扱いを決めるのはハローワークです。

  • 職業訓練受講給付金を受けている人:就職や、やむを得ない理由で退校する場合は、退校日までが最後の支給単位期間になります。その期間の条件を満たせば受けられますが、支給申請には期限があります。期限の日は、退校を伝えるときにハローワークで聞いてください。やめ方は、次に別の訓練で給付金を受けられるか(6年の決まり)にも関係します。体調・家族の事情でやめる人は、証明書類が要るかを退校の前に聞いてください。くわしくは職業訓練受講給付金を受けている人にあります
  • 失業保険(基本手当)を受けながら、受講指示で通っている人:もともとの給付日数を使い切ったあと、訓練中だけ延びている分(訓練延長給付)を受けている人は、退校した日の翌日からの分は出ません。給付日数が残っている人が退校後にどう受けるかは、確かめられていないのでハローワークで聞いてください。また、ハローワークの手引き(業務取扱要領)では、正当な理由がないのに自己都合で退校すると、1か月、基本手当が支給されないとされています。判断はハローワークです。くわしくは失業保険を受けながら通っている人にあります
  • 就職が決まってやめる人:訓練施設とハローワークへの届け出があります。就職の準備のための退校は、手引きで正当な理由の例に挙がっています。判断はハローワークです。くわしくは就職が決まってやめるときにあります

自分の雇用保険の状況が分からない人は、雇用保険の状況で読む場所から読んでください。読む場所の案内で、受けられるかの判定ではありません。

やめたい理由が、体調・家族の事情・通学の負担・授業の内容・ほかの受講生や講師との関係などで、まだ迷っている人もいると思います。休むときの扱いや、相談できる先をやめると決める前ににまとめました。

迷っている間も、連絡せずに休み続けないでください。休むときは、訓練施設に連絡してください。職業訓練受講給付金を受けている人は、ハローワークにも前もって(間に合わなければすぐに)連絡し、やむを得ない理由に当たるかと証明書類を聞いてください(しおり19ページ)。やむを得ない理由のない欠席があると、原則としてその期間の給付金は出ません。繰り返すと、次の期間からも出なくなることがあります(減額して支給される例外の条件は、下の出席の決まりにあります)。

次にやること

  1. やめたい理由と、やめたい時期をメモする(就職が決まった人は、勤め始める日も)
  2. 退校届を出す前に、訓練施設とハローワークの両方に、自分の場合のお金の扱いと手続きを聞く
  3. 施設の人に話しにくいときは、ハローワークに先に相談してかまいません。そのあと、訓練施設にも早めに連絡してください(しおりでは、連絡先は訓練施設とハローワークの両方です)

2026年10月15日時点の情報です。

このページの内容

雇用保険の状況で読む場所

ここで案内するのは、このサイトで次に読むページです。訓練や、訓練中のお金を受けられるかの判定ではありません。判定するのはハローワークです。上から順に当てはめてください。

⓪ 今すぐ就職できる状態ですか?

病気・けが・妊娠・出産・育児・介護などで今すぐ就職できない事情があって、訓練をやめることを考えている人は、そのことを先にハローワークに伝えてください(はじめての人が読む順番:すぐに就職できない人)。基本手当の受給資格がある人は、受給期間(受け取れる期限)の延長などの扱いがあります(受給期間と、すぐに就職できない場合)。

① 今、働いていますか?(パート・派遣・契約社員・自営を含む)

働きながら訓練を受けている人は、訓練の種類と、今受けている給付によって扱いが変わります。はじめての人が読む順番から、自分に合うページを選んでください。

② 働いていない人は、受けている給付で分かれます

やめると決める前に

休むことで続けられるなら

体調や家族の事情で、何日か休めば続けられそうな場合は、退校の前に休むことを相談できます。休むときは、訓練施設への連絡とは別に、ハローワークへの連絡が要る人がいます。

ただし、休みが多いと、訓練を修了できないことがあります。たとえば厚生労働省のしおりには、全訓練期間の出席率が8割に満たない場合など、一定の場合には訓練施設から退校処分を受けることがある、と書かれています(しおり2ページ)。確認した東京都の委託訓練の募集案内でも、修了には80%以上の出席が必要で、欠席が多いなど修了の条件を満たさない場合は退校になることがある、とされています(東京都の募集案内5ページ)。休む日数の見込みが立ったら、早めに訓練施設に伝えてください。

相談できる先

  • 訓練施設の担当者:授業についていけない、通うのがつらい、体調が続かない、といった訓練そのものの悩みは、まず訓練施設に話してみてください。退校の手続きも訓練施設が案内します
  • ハローワーク:お金の扱い、就職の相談、別の訓練への切り替えができるかは、ハローワークに聞きます。訓練を受けている人の手続きは、訓練を案内された(受講指示・支援指示を受けた)ハローワークに相談してください

やめるかどうかは、自分で決めてかまいません。体や家族を守るためにやめる判断も、仕事が決まってやめる判断もあります。決める前に「やめたら、お金と次の手続きはどうなるか」だけは、ハローワークで聞いておいてください。

退校の手続き

求職者支援訓練の場合(しおりに書かれている手続き)

厚生労働省の「求職者支援制度・訓練受講のしおり」には、就職以外の理由で途中で退校するときについて、次のように書かれています(しおり24ページのQ4)。

  • すみやかに訓練施設とハローワークに連絡し、必要な手続きについて指示を受ける
  • 訓練施設への「退校届」の提出、ハローワークへの最後の支給申請(給付金を受けている人のみ)などの手続きを指示される

就職が決まってやめるときの手続きは、就職が決まってやめるときにあります。

公共職業訓練(ハロートレーニングの委託訓練・ポリテクセンターなど)の場合

途中で退校するときの届け出の名前や出し方を、このページで確かめた公共職業訓練の資料からは確認できませんでした。訓練施設が入校のときに配る案内を見て、訓練施設とハローワークの両方に、手続きを聞いてください。失業保険(基本手当)を受けながら通っている人は、失業の認定の手続きにも関係します(失業保険を受けながら通っている人)。

まだ訓練が始まっていない人(合格したあと、入校前にやめる人)は、辞退の手続きになります。連絡先の例は入校前の準備:辞退するなら早めに連絡するにあります。

職業訓練受講給付金を受けている人

しおりに書かれている退校のときの扱い

厚生労働省のしおり(24ページのQ3・Q4)には、次のように書かれています。

  • 就職によって途中で退校する場合:退校日までが支給単位期間になります。この期間に支給の条件を満たせば、職業訓練受講給付金を受けられます
  • やむを得ない理由によって途中で退校する場合:退校日までが支給単位期間になります。この期間に支給の条件を満たせば、職業訓練受講給付金を受けられます。やむを得ない理由を証明する書類が必要です
  • どちらの場合も、支給申請には期限があります。最後の支給申請は、ハローワークの指定来所日に来所して行います。期限の日は、退校を伝えるときにハローワークで聞いてください

就職でも、やむを得ない理由でもない退校のときに、最後の期間がどう扱われるかは、しおりには書かれていませんでした。やめる理由を伝えて、ハローワークで確かめてください。

生活費の注意:最後の支給申請を出さないと、受けられたはずの分を受けられなくなるおそれがあります。退校が決まったら、最後の支給申請の日と、持っていく書類(やむを得ない理由の証明書類など)をハローワークで確かめてください。退校したあとの生活費の見通しも、同じ相談で話しておくと安心です。

最後の期間が短いと、金額は満額(月10万円)にならないことがあります(28日未満は別に計算。しおり9ページ)。その期間の出席の決まりも満たす必要があります。

休んだとき・退校処分との関係

しおり19ページの表では、訓練施設から退校処分を受けた場合、その支給単位期間の給付金は「不支給」とされています。退校処分は、全訓練期間の出席率が8割に満たない場合などに、訓練施設が行うものです(しおり2ページ・19ページ)。

給付金の出席の決まりは、訓練施設の修了・退校の基準とは別のものです。支給単位期間ごとに判定されます。決まりの全文は下を開いてください。

休んだときの給付金の決まりを開く
  • 対象になる人:職業訓練受講給付金を受ける人で、訓練を欠席しそうな人、指定来所日に行けそうにない人、eラーニングなどで受講する人
  • 条件:
    • 出席は支給単位期間ごとに判定します。訓練の全期間で8割あればよい、という意味ではありません
    • eラーニングなど、実施日が決まっていない科目を含む訓練は、時間数と所定の計算式で判定します(日数で8割ではありません)。動画を倍速で見て、やむを得ない理由なく実際の受講時間が足りないと、不支給になります
    • やむを得ない理由の欠席は、ハローワークがあらかじめ決めた理由(本人の病気・けが、親族の看護・介護など)に限られ、証明書類が必要です
    • やむを得ない理由のない欠席があると、原則としてその期間は支給されません
    • 正当な理由のない就職支援の拒否(必須の求職活動をしない、紹介された求人の面接に行かない、など)も不支給になります
    • 次のこと(しおり19ページの表の②〜⑤)を繰り返すと、以後も支給されないうえ、支援指示の取消しや、訓練初日にさかのぼった返還命令がありえます
      • やむを得ない理由のない欠席
      • 正当な理由のない不来所
      • 正当な理由のない、必須の求職活動の不履行
      • そのほかの、正当な理由のない就職支援の拒否
    • やむを得ない理由の欠席で8割未満になった場合は、この「繰り返し」には含まれません(その期間は不支給です)
  • 当てはまらない場合・注意:
    • インフルエンザなどへの感染、ひとり親が小学生以下の子の突然の病気・けがを看護する場合(本人の父母などが世帯にいないことなどの条件あり)、親族の葬儀などは、証明書類の確認を受けて訓練実施日から除外できる場合があります
    • 次の人は、やむを得ない理由以外の欠席があっても、その期間の8割以上出席などの要件と、ほかの支給要件をすべて満たせば、欠席に応じて減額して支給される場合があります
      • 求職者支援訓練の基礎コースを受けている人
      • 小学生以下の子(障害のある子は18歳未満)を養育している人
      • 要介護2相当以上の一定の親族を、2週間以上にわたって常に介護している人
    • 指定来所日は、訓練の欠席とは別に扱います。やむを得ない理由で行けないときは、事前に連絡すれば日を変えられます。やむを得ない理由なく来所しないと、次回以降の給付金が支給されません。上の3種類の人はこの扱いから除かれますが、来所しなくてよくなるわけでも、支給が保証されるわけでもありません
  • 窓口で確認すること:欠席や不来所の前に(間に合わなければ速やかに)ハローワークへ連絡し、やむを得ない理由に当たるかと、必要な証明書類の説明を受けてください。出席率を自分で計算して、対象外と判断しないでください

(しおり9〜11ページ、19〜23ページ)

返還を求められるか

しおりには、途中で退校したこと自体を理由に、それまでの給付金の返還を求めるという記載は見つかりませんでした。

ただし、しおりには、やむを得ない理由のない欠席などを繰り返すと、支援指示が取り消されて訓練を続けられなくなるほか、訓練初日にさかのぼって返還を命じられることがある、と書かれています。不正受給とみなされると、受け取った給付金の最大3倍の返還・納付命令を受けることがあります(しおり19ページ)。自分の場合に返還の対象になるものがないかは、退校の相談のときにハローワークで確かめてください。

求職者支援資金融資を借りている人

融資の条件の全文は下にあります。

求職者支援資金融資の条件を開く
  • 対象になる人:職業訓練受講手当を受ける人で、手当だけでは生活費が足りない人
  • 条件:
    • 労働金庫の審査などの条件を満たせば、利用できる場合があります
    • 貸付の上限は、同居している(または生計が同じで別居している)配偶者・子・父母がいる人は月10万円、それ以外の人は月5万円です。上限まで借りられる保証はありません
    • 金利は2.0%です。就職しても返済は免除されません
    • 原則として未成年は利用できず、最終返済のときに65歳以下である必要があります
  • 当てはまらない場合・注意:
    • 審査の結果、利用できないことがあります
    • やむを得ない理由のない欠席の繰り返し、就職支援の拒否、不正受給の処分などで給付金の支給が止められた場合は、残りの借入れを直ちに一括で返します
    • 途中で退校すると、元金の据え置き期間が変わります
    • いつから借りられるかは、このサイトでは確認できていません
  • 窓口で確認すること:初回の給付までの生活費をこの融資でまかなえるとは見込まないでください。借りられる時期と条件を、ハローワークと労働金庫で確認してください

(しおり27ページ)

生活費の注意:欠席の繰り返し・就職支援の拒否・不正受給の処分などで支給が停止された場合は、残りを直ちに一括で返します。途中退校の場合は、しおりには「元金の据え置き期間が変わる」とだけ書かれています。どう変わるかは労働金庫とハローワークで確かめてください。

職業訓練受講給付金の条件(全文)

退校の前後で、給付金を受けられるかを判断するときの条件です。受けられるかを決めるのはハローワークです。条件の全文は下を開いてください。

給付金の条件・金額・申請の詳しい説明を開く

誰が対象になる?

求職者支援制度の訓練を受ける人で、原則として次の4つすべてに当たる人です。

  • ハローワークに求職の申込みをしている
  • 雇用保険の被保険者・受給資格者でない
  • 労働の意思と能力がある
  • 職業訓練などの支援が必要だとハローワークが認めた

働いている人も、自動的に対象になるわけではありません。雇用保険に入って働いている人は、原則としてこの要件に当たりません。

職業訓練受講給付金を受けるには、ハローワークの「支援指示」(就職支援計画書の交付)が必要です。なお、基本手当の受給資格がある人は、支援指示ではなく受講指示で求職者支援訓練を受ける場合があります。その場合は基本手当の側の扱い(失業保険を受けながら通っている人)になり、職業訓練受講給付金の対象ではありません。

受け取るための条件

職業訓練受講給付金は、次のすべてを満たして初めて支給されます。判定は、支給単位期間(原則として訓練開始日から1か月ごとの区切り)ごとに行います。

  1. 本人の収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月30万円以下
  3. 世帯の金融資産が300万円以下
  4. 今住んでいるところ以外に、土地・建物を持っていない
  5. 出席の要件を満たす。その期間の訓練実施日すべてに出席する(入校式・修了式・就職支援なども含む)。やむを得ない理由の欠席がある場合も8割以上の出席が必要。eラーニングなど、実施日が決まっていない科目を含む訓練は、時間数と所定の計算式で判定する
  6. 同じ世帯で、同時に職業訓練受講手当を受けて訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に、偽りや不正な行為で特定の給付金を受けたことがない(どの給付が対象かはハローワークで確認)
  8. 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない(前に受けた最初の支給単位期間の初日から数える)

言葉の意味は次のとおりです。

  • 収入:手取りではなく、税金などが引かれる前の金額です。給与(賞与を含む)のほか、事業収入(個人事業と不動産賃貸は経費を差し引いた額)・年金・仕送り・養育費なども含みます。複数月分がまとめて支給される年金など(支払う時期が制度で決まっていて、本人が変えられないもの)は、月数で割った額で数えます。ただし一部は算定の対象外で、養育費にも所定の除外条件があります
  • 世帯:住民票の世帯とは限りません。本人と、同居しているか生計が同じで別居している配偶者(内縁を含む)・子・父母です。20歳未満で学校に通っている子(就学前の子を含む)の収入は、0円とみなされます
  • 金融資産:預貯金だけでなく、現金・債券・株式・投資信託などを含みます

支給の条件とは別に、次のことが必要です。

  • 毎月の指定来所日にハローワークへ来所し、職業相談を受ける。支給の申請もこの日に行う
  • 就職支援計画書に書かれた、必須の求職活動を行う
  • ハローワークの就職支援を、正当な理由なく拒否しない(紹介された求人の面接に行かないことなども含む)

これらを守らないと、不支給になります。繰り返すと、支援指示の取消しや、訓練初日にさかのぼった返還命令がありえます。

金額

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当:通所経路に応じた所定の額(上限あり)
  • 寄宿手当:月10,700円

支給単位期間が28日未満のときは別に計算するため、いつも満額とは限りません。寄宿手当は、訓練のために同居の配偶者などと別居して寄宿し、その必要性をハローワークが認めた場合だけです。基本手当の受給資格がある間(給付制限中を含む)は、職業訓練受講給付金を受けられません。

当てはまらない場合・注意

  • 本人または世帯の収入が上の基準を超えても、一定の範囲内なら、通所手当だけ対象になる場合があります(職業訓練受講給付金の条件チェック)
  • やむを得ない理由の欠席は、訓練実施日から除外できる場合があります。育児・介護をしている人や基礎コースの人には、減額して支給される例外があります(休んだとき・退校処分との関係)
  • 指定来所日に来所しなかった場合は、訓練の欠席とは別に扱います(休んだとき・退校処分との関係)
  • やむを得ない理由で途中退校した人には、6年の要件の例外があります(もう一度訓練を受けたくなったとき)
  • 給付金の要件を満たさなくても、受講料無料の訓練を受けられる場合があります。無料なのは受講料で、教材費などは自己負担です

窓口で確認すること

事前審査と、支給単位期間ごとの支給申請が必要です(下の「申請と振込」)。収入・世帯・資産・欠席・来所について、自分で計算して判断せず、事前にハローワークで確認してください。

申請と振込

  • 対象になる人:職業訓練受講給付金を受けようとする人
  • 条件:
    • 事前審査が必要です。受講の申込みと同時にもでき、出席以外の要件を審査します
    • 支給単位期間ごとに、指定来所日(月1回)に、職業相談のあとで支給申請をします。初回の支給申請は、原則として受講開始から2か月目の指定来所日です。支給申請のたびに、その期間の本人・世帯の収入(税引き前)と、事前審査のときからの世帯・資産などの変更を申告します。迷うときは「変更あり」にして窓口で聞いてください。正しく申告しないと、不正受給に問われることがあります
    • 振込は、支給決定の1週間〜10日程度あとが目安です
  • 当てはまらない場合・注意:事前審査が遅れると、支給が遅れたり受けられなくなったりすることがあります。確認することがあると、支給決定までに日数がかかることがあります。初回の振込までは、この給付金でまかなえない期間があります
  • 窓口で確認すること:必要な書類(世帯全員の収入の証明など)と日程を、早めにハローワークで確認してください

(しおり1〜3・9〜16・19〜24ページ、厚生労働省「求職者支援制度のご案内」)

収入の例を当てはめた説明は、職業訓練受講給付金の条件チェックにあります。

失業保険を受けながら通っている人

ここは、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給資格があり、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練など(求職者支援訓練の場合もあります)に通っている人の節です。

業務取扱要領に書かれている退校のときの扱い

厚生労働省が公開している「雇用保険業務取扱要領」(ハローワークが基本手当を扱うときの手引き)には、次のように書かれています。どの場合に当たるかの判断は、ハローワークがします。

  • 退校した日より後の基本手当:訓練中の延長給付(訓練延長給付)について、訓練の期間が終わる前に途中で退校した場合は、退校した日(最終在籍日)より後の日は、失業の認定を行わない(52354)
  • 訓練が終わったあとの延長:訓練を受け終わった人のうち一定の条件に当たる人への延長給付(終了後手当)について、受講を途中でとりやめた人は、受け終わった人に当たらないので対象にならない(52355)
  • 自己都合で退校した場合の給付制限:受講指示を受けた訓練を受け始めたあと、修了の前に、正当な理由がないと認められるのに自己都合で退校した場合は、指示された訓練を受けることを拒んだものとして、拒んだ日から1か月間、基本手当が支給されない(52151)
  • 正当な理由に当たる例:就職が決まり、その準備のために退校する必要がある場合(52153)
  • 手引きに挙がっているほかの例:手引きには、指示された訓練を受けなくても給付制限をしない場合の基準として、訓練科が本人の素質・能力などから見て適当でないと認められる場合が挙がっています(52153)。退校に当てはまるかも含めて、判断はハローワークです

給付制限をするかどうかは、画一的・機械的に決めずに、その人の個別の事情を十分考えて判断することになっています(52101)。体調や家族の事情でやめる場合に、正当な理由に当たるかどうかは、要領の例には書かれていません。やめる前に事情をハローワークに伝えて、相談してください。

生活費の注意:正当な理由がないとされると、1か月、基本手当が支給されません。退校を決める前に、ハローワークで「自分の理由で給付制限がかかるか」を聞いてください。

確かめられなかったこと(ハローワークで聞くこと)

次のことは、このページで確かめた資料からは確認できませんでした。

  • 退校したあと、所定給付日数の残りがある場合に、基本手当をどう受けていくか(受給期間の残り・求職活動の扱いなど)
  • 退校した月の通所手当の計算のしかた
  • 自己都合で退職した人で、訓練を受けて給付制限が解除されていた人が、その訓練を途中でやめた場合の扱い

受講手当は、基本手当の支給対象日のうち、訓練を受けた日について出る手当です(手当の決まり)。

受講指示と訓練延長給付の決まり(全文)

受講指示で受ける人の基本手当と手当の決まりです。全文は下を開いてください。

受講指示と訓練中の基本手当の詳しい説明を開く
  • 対象になる人:雇用保険の基本手当の受給資格がある人で、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練など(求職者支援訓練の場合もあります)を受ける人
  • 条件:
    • 受講指示には、訓練開始前日の時点の支給残日数について所定の条件があります。ただし、残日数だけでは決まらず、訓練が必要かどうかなどもハローワークが判断します
    • 受講指示を受け、失業の認定など基本手当の支給条件を満たす場合は、訓練中の基本手当の対象になります。訓練延長給付(訓練中に所定給付日数が尽きても、訓練が終わる日まで基本手当が延びる仕組み)の対象にもなります
  • 当てはまらない場合・注意:受給期間などによっては、訓練中の給付を受けられない場合があります。就職・就労・欠席・退校などで、支給の対象が変わります。受講指示を受けて受講する間は、職業訓練受講給付金の対象ではありません
  • 窓口で確認すること:希望のコースと開始日をハローワークに伝え、自分に当てはまる条件・支給の対象になる期間・申告と認定の手続きを確認してください

(ハローワーク三沢「職業訓練制度のご案内」2ページ、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、愛知労働局「職業訓練制度Q&A」Q9)

ハローワーク三沢の案内(青森労働局のサイトに掲載・2023年作成)の2ページは、訓練期間中に所定給付日数がなくなった場合、「訓練修了日(退校日)まで」延長される、と説明しています。

業務取扱要領では、訓練が終わったあとの延長給付(終了後手当)や、個別延長給付・広域延長給付などを受けている人が、指示された訓練を正当な理由なく拒んだ場合は、上の1か月の給付制限とは別の決まり(雇用保険法第29条の給付制限)で扱われます(52101・52151)。

受講手当・通所手当・寄宿手当の決まり(全文)

受講手当・通所手当・寄宿手当の詳しい説明を開く
  • 対象になる人:雇用保険の基本手当の受給資格者で、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練などを受ける人。求職者支援制度の職業訓練受講給付金(月10万円の職業訓練受講手当など)とは別の制度です
  • 条件:手当ごとの支給条件を満たす場合に支給されます
    • 受講手当:基本手当の支給対象日のうち、訓練を受けた日について日額500円。上限は20,000円
    • 通所手当:交通機関などで通い、認められた通所方法などの条件を満たす場合に、上限月42,500円
    • 寄宿手当:訓練を受けるために、本人が生計を維持している同居の親族と別居して寄宿する場合に、月10,700円
  • 当てはまらない場合・注意:支給の対象にならない日がある月は、通所手当・寄宿手当が日割りで減額されます。一人暮らしを始めた・引っ越しただけでは、寄宿手当の対象になりません。基本手当が支給されない日は、受講手当の対象になりません
  • 窓口で確認すること:対象になるかと金額は、ハローワークで確認してください。寄宿手当は、失業認定の日に受講証明書などを出す手続きがあります

(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、ハローワーク三沢「職業訓練制度のご案内」2ページ)

受講指示・給付制限・受給期間のくわしい説明は、失業保険をもらいながら職業訓練を受けるにあります。

就職が決まってやめるとき

届け出(しおりに書かれている手続き)

しおり24ページのQ3には、求職者支援訓練を受けている人の就職が決まったときの手続きが書かれています。

  • 訓練を続ける場合:収入の額や雇用保険に入るかどうかにかかわらず、次の指定来所日に、就職したことをハローワークに申し出ます(就職状況報告書を出します)
  • 訓練を続けられない・続けない場合:すみやかに訓練施設とハローワークに連絡し、必要な手続きの指示を受けます。主な手続きは次のとおりです
    • 訓練施設へ:退校届と就職状況報告書(訓練施設が指示する方法で出す)
    • ハローワークへ:就職状況報告書(持参・郵送・FAXのどれか)
    • ハローワークへ:最後の支給申請(給付金を受けている人だけ。指定来所日に来所して行う)

就職状況報告書は、出す先の訓練施設かハローワークで配られます。給付金を受けている人は、退校日までが最後の支給単位期間になり、支給申請には期限があります(職業訓練受講給付金を受けている人)。

失業保険(基本手当)を受けながら受講指示で通っている人の届け出の名前は、このページで確かめた資料には書かれていませんでした。訓練施設とハローワークで聞いてください。業務取扱要領では、就職が決まり、その準備のために退校する必要がある場合は、正当な理由に当たる例として挙げられています。判断はハローワークです(失業保険を受けながら通っている人)。

公共職業訓練の就職率の計算では、就職が決まって途中でやめた人も就職した人として数えられています(詳細版13ページ)。

再就職手当などとの関係

就職が決まったときに、再就職手当などを受けられるかと、その条件は、このページで確かめた資料からは、訓練を途中でやめる場合と結びつけて確認できませんでした。基本手当の受給資格がある人は、就職が決まった時点でハローワークに聞いてください。

もう一度訓練を受けたくなったとき

職業訓練受講給付金の6年の要件と、途中退校の例外

職業訓練受講給付金には、前に受けた最初の支給単位期間の初日から6年たつまでは、次の訓練で手当を受けられないという決まりがあります。

やむを得ない理由で訓練を途中で退校した人は、過去6年以内に給付金を受けていても、受けたことがあるとはみなされません(しおり11ページの注Ⅶ)。

収入・世帯の特例も含めた決まりの全文は、下を開いてください。

6年の決まりと特例の全文を開く
  • 対象になる人:収入が職業訓練受講給付金の基準を超える人、過去に給付金を受けたことがある人、DV被害などで住民票と実際の暮らしが違う人
  • 条件:
    • 通所手当だけ対象になる場合:本人の収入(月8万円以下)・世帯全体の収入(月30万円以下)の基準のどちらかを超えた人が対象です(本人8万円以下・世帯30万円以下の基準を満たす人は、この特例ではなく、職業訓練受講手当を含めて通常どおり判定されます)。次の3つをすべて満たせば、通所手当だけ対象になる場合があります
      • 本人の収入が月12万円以下
      • 世帯全体の収入が月34万円以下
      • 給付金の条件の3〜8と、通所手当そのものの要件(認められる経路・方法など)を満たす
    • 職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当のいずれかを受けた場合(通所手当だけの場合を含む)、その最初の支給単位期間の初日から6年たつまでは、次の訓練でいずれの手当も受けられません
    • 過去6年以内に受けたことがあっても、やむを得ない理由で訓練を途中で退校した人は、受けたことがあるとはみなされません
  • 当てはまらない場合・注意:大規模災害の被災者・DV被害者・住居を失った人(訓練開始前までに安定した住居を持つ見通しが確認できる場合に限る)は、住所や世帯確認の書類について柔軟な扱いがあります。DV被害者に限り、実際には別居していて、配偶者などから月10万円を超える援助を受けていなければ、その人の収入・資産を世帯に含めません
  • 窓口で確認すること:特例に当たるか、ほかの受給歴も含めてどう適用されるかは、ハローワークで確認してください

(しおり9ページ、11ページの注Ⅶ、26ページのQ11)

やめる理由が「やむを得ない理由」に当たるかは、ハローワークが決めます。体調や家族の事情でやめる人は、退校の前に、証明書類が要るかを聞いておいてください(しおり24ページのQ4)。

次の訓練を受けられる時期

ハローワーク三沢の案内(青森労働局のサイトに掲載・2023年作成)の4ページには、職業訓練は原則として、前回の訓練を修了(退校)してから1年以内には受けられない、と書かれています。例外として、求職者支援訓練の基礎コースから公共職業訓練へ、基礎コースから求職者支援訓練の実践コースへ続けて受ける場合は、ハローワークの職業相談で必要性が確認できれば受けられる、とされています。この決まりが全国で同じかは、このページでは確かめられていません。

コースごとに、過去の受講歴が応募の条件になっていることもあります。たとえば神奈川県の委託訓練(2026年4月入校生の追加募集・長期高度人材育成コース)の募集案内には、過去に訓練期間が1年以上の公共職業訓練(委託訓練)を受講したことがある人は、正当な理由のない中途退校も含めて、専門人材育成コースに応募できない、と書かれています(神奈川県の募集案内・PDF6枚目)。

次の訓練を考えている人は、応募したいコースの募集案内の「応募資格」と、ハローワークで「前の訓練を途中でやめたことが、次の応募に関係するか」を確かめてください。落ちたり対象外だったりしたときの考え方は落ちたときに次にやることにあります。

ハローワークで聞くことのメモ

相談の前に、次をメモしておくと話が早く進みます。

  • やめたい理由(体調・家族の事情・就職・通学の負担・授業の内容・ほかの受講生や講師との関係など)と、証明できる書類があるか
  • やめたい日、就職が決まった人は勤め始める日
  • 今受けている給付(職業訓練受講給付金か、基本手当か、どちらも受けていないか)
  • 求職者支援資金融資を借りているか

窓口で聞くことは次のとおりです。

  • 自分の理由は「やむを得ない理由」(給付金)や「正当な理由」(基本手当)に当たるか。必要な証明書類は何か
  • 最後の支給申請(給付金)や、次の失業の認定(基本手当)はいつか。何を持っていくか
  • 退校したあとの基本手当の受け方(残日数・受給期間)
  • 退校した月の通所手当などの手当の扱い
  • 返還の対象になるものがあるか
  • 就職が決まった人は、再就職手当などを受けられるか
  • 次に訓練を受けたくなったとき、いつから・どのコースに応募できるか

通う交通費の扱いは職業訓練の交通費(通所手当)にもまとめています。

出典(2026年10月15日に原文を確認)

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