フリースクールの補助金・助成金——お住まいの自治体にあるか、確かめ方とあわせて

花壇と青い自転車のある公共施設の前庭の水彩イラスト いまの学校がつらいとき

データ取得日:2026.08.19

フリースクールを考えはじめると、次に気になるのがお金のことだと思います。文部科学省が平成27年(2015年)に行った調査では、フリースクールの会費(授業料)は当時の平均で月額約3万3千円。決して小さくない金額です。

この利用料に、補助金や助成金を出している自治体があります。ただ、調べてみると「うちの自治体にはあるのか」「いくら出るのか」が、とても分かりにくい。この記事では、公式ページや要綱で確認できた制度だけを一覧にして、お住まいの自治体での確かめ方までまとめます。

先に結論:補助を出す自治体はあります。ただし「あるかないか」から自治体しだいです

  • フリースクールの利用料への補助を出す自治体があります(例:東京都=月額上限2万円、名古屋市・神戸市・岡山市・相模原市など)
  • ただし、あるかないか・金額・条件は自治体ごとにまったく違います。政令指定都市20市を公式ページで確認したところ、フリースクールを対象とする直接型の利用料補助が確認できたのは4市でした(別に、習い事クーポンの枠内で対象になる市が1市)
  • 「補助」と名がついていても、施設向けの補助(家庭の負担は直接下がらない)や交通費だけの補助もあり、区別が必要です
  • 制度は年度ごとに変わります。最後は必ず、お住まいの自治体の公式ページか窓口で確認してください

利用料への補助が確認できた自治体(2026年8月5日時点)

当サイトが公式ページ・交付要綱で直接確認できた制度です。ここに載っていない自治体にも制度がある場合があります(この一覧は、確認できた自治体を順次追加して更新していきます)。

自治体 何に対する補助か 金額のしくみ 主な条件 年度
東京都 利用料(保護者向け) 月額上限2万円 都内在住の小・中学生の保護者(対象施設などのくわしい要件は公式サイトで要確認) 令和8年度(受付:令和8年5月27日〜令和9年2月12日)
茨城県 利用料(保護者向け) 2分の1以内・月15,000円(年180,000円)限度 住民税非課税・要保護・準要保護世帯 令和8年度(3期受付)
相模原市 利用料・実習費・教材費等 対象経費の合計額・月2万円を上限(補助率の定めなし・千円未満切捨て) 市登録施設・事前登録が必須・市税の滞納がないこと 令和8年度(申請は年2回:10月・3月)
名古屋市 利用料 就学援助認定者等=2分の1・月上限22,000円/その他=4分の1・月上限11,000円 市立小中等に在籍+市内在住・愛知県内の民設民営通所型施設 令和8年4月以降の利用分(受付は令和8年9月開始予定)
神戸市 利用料 半額・通所型は月上限2万円/オンライン型は月上限1.5万円 市立小中等に在籍・出席認定・市認定施設 2026年4月〜2027年3月の利用分(3期受付)
岡山市 利用料 2分の1以内・月額10,000円上限(入学金・入会金・教材費・交通費・食費・施設整備費は除外/オンライン利用は対象外 過去1年で合計30日以上欠席・市登録施設に通所 令和8年度分
上越市(新潟県) 利用料など(入学費・学習費・寮費・食費・体験利用費) 対象経費の2分の1・費目ごとの月額上限あり(例:学習費は小学生2万円・中学生22,500円) 生活保護世帯、または住民税所得割の合計が50万7,000円未満の世帯・出席扱いにできる施設 毎年度4月中に申請(利用開始時はすみやかに)
甲府市(山梨県) 利用料(授業料) 月額30,000円上限 市内在住・就学援助認定・出席扱いと認められた利用 公式ページには令和7年度の日付表記が残るため、令和8年度の利用は市に要確認
大月市(山梨県) 授業料 月3万円上限 市内在住・就学援助受給・出席扱いを学校が認めた施設 公式ページに年度明記なし。申請前に市へ相談

※金額には端数処理(切り捨て)の定めがある制度があります(相模原市=千円未満、茨城県・岡山市=100円未満)。実際の交付額は各制度の要綱・公式案内で確認してください。

このほか、県が市町村を支援する形もあります(神奈川県。「保護者の方に直接補助する制度ではございません」と明記されています——この場合の窓口はお住まいの市町村です)。また浜松市のように、習い事クーポン(年12万円・対象世帯限定)の枠内でフリースクールも対象になる、という形の自治体もあります。

「補助あり」に見えて、家庭の負担が下がらないものがあります

ここがこのテーマでいちばん間違えやすいところです。「フリースクール 補助金」で検索して出てくる制度には、性質の違うものが混ざっています。

「補助」の中身は大きく4種類に分かれます

  1. 家庭向けの利用料補助:保護者が対象の条件を満たして申請し、認められた場合に利用料の負担が軽くなる(上の表の型)
  2. 施設向けの補助:フリースクールの運営者に出るお金。施設の運営は助かりますが、家庭の支払いが直接下がるわけではありません(例:札幌市・千葉市の事業費補助)
  3. 交通費・体験活動費など実費への補助:利用料は対象になっていないもの(例:熊本県=交通費・体験活動等の実費で利用料は対象外。仙台市は交通費助成を確認しましたが、利用料への補助は今回の調査では確認できませんでした)
  4. 習い事クーポンなどの枠内型:フリースクール専用ではなく、決まった額の利用券の使い道のひとつとして対象になる(例:浜松市・対象世帯限定)

また、利用者への補助がない、または現時点で実施の予定がないと回答している自治体もあります(新潟市=「フリースクールに通うための利用者の補助はありません」、京都市=「現在のところ実施の予定はございません」・いずれも公式の回答ページより)。ないと分かることも、家計の見通しを立てるうえでは大事な情報です。

金額の読み方——「上限2万円」でも中身が違います

表の金額をよく見ると、しくみが3タイプあります。

  • 対象経費・上限型:かかった対象経費を、上限まで補助(相模原市=月2万円まで・千円未満切捨て)
  • 割合・上限型:かかった額の半分など、割合と上限の両方がかかる(神戸市=半額かつ月2万円まで/岡山市=2分の1以内かつ月1万円まで)
  • 定額クーポン型:決まった額の利用券(浜松市の習い事クーポンなど)

たとえば月3万円が全額対象経費になるフリースクールなら、各制度の条件を満たして認められた場合の目安は、相模原市の型で2万円、神戸市の型で1万5千円(半額)、岡山市の型で1万円です。「上限◯万円」という見出しの数字だけでは比べられない、ということです。オンライン型の扱いも分かれます(岡山市=対象外、神戸市=上限1.5万円)。

共通する条件——「事前登録」と「施設の登録制」に注意

確認できた制度には、共通するパターンがありました。

  • 施設が登録制:補助の対象になるのは、自治体に登録・認定された施設だけのことが多い(相模原・名古屋・神戸・岡山)。使いたい施設が対象かどうかを先に確認するのが大事です
  • 事前登録・事前申請:利用を始める前の登録が必須の場合があります(相模原市は初回申請前の事前登録が要綱で必須)
  • 在住・在籍の要件:市内在住や市立小中学校への在籍が条件のことが多い
  • 所得の要件:非課税世帯・就学援助世帯に限る制度もあります(茨城県・大月市など)
  • 年度と受付期間:制度は年度予算で動くため、金額も受付期間も毎年変わりえます

お住まいの自治体で確かめる方法

一覧にない自治体でも、制度が新しくできたり、内容が変わったりしていることがあります。確かめ方は2つ。

①検索する:「(自治体名) フリースクール 補助」で検索し、自治体の公式サイト(またはそこからリンクされている特設サイト)だけを見ます。まとめ記事の金額は古かったり不正確だったりすることがあるので、金額は必ず公式で確かめてください。

②窓口で聞く:市区町村の教育委員会にたずねます。学校で聞くと、窓口を案内してもらえる場合もあります。

教育委員会にたずねるとき

  • 「フリースクールなど民間の学びの場の利用料への補助は、この市(町・村)にありますか」
  • 「施設の登録制ですか。(施設名)は対象になりますか」
  • 「利用を始める前に、登録や申請が必要ですか」
  • 「申請の時期と、必要な書類を教えてください」

利用料への補助が確認できなかったときの道

お住まいの自治体で利用料への補助が見つからなくても、費用の負担を抑える道はあります。

  • 教育支援センター(適応指導教室):自治体が設置する公的な学びの場です
  • 就学援助:学用品費などの援助制度。不登校の場合の扱いは自治体によって異なります

お金まわりの全体像は学校を休んでいる間のお金と制度にまとめています。学び場そのものを比べたいときは学び場を比べるときの確認項目が使えます。

この一覧の掲載基準と更新について

  • この記事に載せた制度は、2026年8月5日時点で当サイトが各自治体の公式ページ・交付要綱で確認できたものだけです
  • 載っていない自治体に制度がないという意味ではありません。確認できた自治体を順次追加していきます
  • 制度は年度ごとに変わります。この一覧は年1回以上を目安に見直します。申請の前には、必ず自治体の公式情報で最新の内容を確かめてください

まとめ

  • フリースクールの利用料に補助を出す自治体はあります(東京都・茨城県・相模原市・名古屋市・神戸市・岡山市・上越市などは令和8年度または現行制度を公式確認。甲府市・大月市は制度ページを確認できるものの、令和8年度の利用可否は自治体へ確認が必要)
  • ただし有無も金額も条件も自治体しだい。政令指定都市20市で直接型の利用料補助が確認できたのは4市でした
  • 「補助」には家庭向けの利用料補助・施設向け・交通費など実費・クーポン枠内の4種類があり、混同しやすい
  • 金額は「対象経費・上限型」「割合・上限型」「クーポン型」でしくみが違う。見出しの「上限◯万円」だけでは比べられない
  • 使いたい施設が登録対象か事前登録が必要かを先に確認する
  • 最後の確認先は、お住まいの自治体の公式ページと教育委員会の窓口

急いで決めなくて大丈夫です。お子さんに合う場所を、いっしょにさがしていきましょう。

出典

初回取得:2026-08-04(7-2・7-3のみ2026-08-05)/年度・リンク再確認:2026-08-19。各自治体の公式ページ・交付要綱を直接確認

  1. 東京都「東京都フリースクール等利用者等支援事業」 ── 月額上限2万円・令和8年度・受付 令和8年5月27日〜令和9年2月12日 https://tokyo-fs-support.metro.tokyo.lg.jp/
  2. 茨城県教育委員会「フリースクール等利用世帯への支援」 ── 2分の1以内・月15,000円(年180,000円)限度・住民税非課税/要保護/準要保護世帯・令和8年度3期受付 https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/gakko/compulsory-education/student-guidance/free-school/page-40040/
  3. 相模原市「フリースクール等利用児童生徒支援事業補助金」交付要綱 ── 第5条「1月毎に2万円を上限とする」/第4条 対象経費=利用料・実習費・教材費等/第6条 事前登録/第8条 申請期間(10月・3月) https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/1026602/kyouiku/1026611/1033578.html(令和8年度案内・申請の手引き)
  4. 名古屋市「フリースクール等利用料補助金」 ── 就学援助認定者等=1/2・月上限22,000円/その他=1/4・月上限11,000円・令和8年4月以降利用分・受付 令和8年9月予定 https://www.city.nagoya.jp/kodomo/schools/1016972/1046944.html
  5. 神戸市「フリースクール等民間施設利用料助成制度」 ── 利用料の半額・通所型 月上限2万円/オンライン型 月上限1.5万円・市認定施設・出席認定・2026年4月〜2027年3月利用分 https://www.city.kobe.lg.jp/a33992/fsriyouryoujosei.html
  6. 岡山市「岡山市不登校児童生徒を支援する民間施設等利用支援補助金」 ── 補助対象経費の2分の1以内・月額10,000円上限・入学金/教材費/交通費/食費除外・オンライン利用対象外・過去1年で合計30日以上欠席・市登録施設・令和8年度分 https://www.city.okayama.jp/shisei/0000082520.html
  7. 大月市「フリースクール等利用料助成事業」 ── 月3万円上限・市内在住・就学援助受給・出席扱いを学校が認めた施設・授業料のみ・公開ページは年度明記なしのため申請前に市へ相談(再確認日:2026-08-19) https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/kosodate/kosodate/FreeSchool_josei.html

7-2. 上越市「上越市フリースクール等利用支援補助金」 ── 対象経費(入学費・入寮費・学習費・寮費・食費・体験利用費)の2分の1・費目別月額上限(児童:学習費20,000円ほか/生徒:学習費22,500円ほか)・生活保護世帯または住民税所得割合計50万7,000円未満世帯・出席扱いにできる施設(取得日:2026-08-05) https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/kyouikusoumu/free-school-hojokin.html 7-3. 甲府市「甲府市フリースクール利用支援事業費補助金」 ── 月額30,000円上限・市内在住・就学援助認定・指導要録上の出席扱いと認められた利用・公式ページには令和7年度の申請日付が残るため、令和8年度の利用は市に要確認(再確認日:2026-08-19) https://www.city.kofu.yamanashi.jp/gakuji/kyoiku/kyoiku/shugaku/freeschool.html

  1. 神奈川県「フリースクール等利用児童生徒支援事業」 ── 県から市町村への補助(「保護者の方に直接補助する制度ではございません」)・実施市町の例示 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t7e/freeschool/2025freeschool.html
  2. 浜松市「こども習い事応援事業」 ── 年12万円クーポン・生活保護/児童扶養手当全部支給世帯の小学生・令和8年4月からフリースクールも対象 https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kosodate/20240710naraigoto.html
  3. 札幌市「フリースクール等民間施設事業費補助金」(施設向け)/千葉市「フリースクール等民間施設事業費補助金」(施設向け) ── いずれも設置者・事業者への補助 https://www.city.sapporo.jp/kodomo/ikusei/freeschool.html ほか
  4. 仙台市(市長への手紙回答・交通費助成を確認。利用料補助は確認できず)/熊本県「フリースクール等利用支援事業」(交通費・体験活動等の実費・利用料対象外・熊本市を除く) https://www.city.sendai.jp/kochotoke-kocho/kaitou/1-0-521-0000.htmlhttps://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/132/238984.html
  5. 京都市(市民の声への回答「現在のところ実施の予定はございません」令和7年11月)/新潟市(市長への手紙回答「フリースクールに通うための利用者の補助はありません」令和6年11月) https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000348546.htmlhttps://www.city.niigata.lg.jp/shisei/kocho/tegami_top/tegami/tegami_r6top/r6_3kyouiku/2025021202.html
  6. 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(平成27年8月) ── 会費(授業料)平均 月額約3万3千円 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tyousa/__icsFiles/afieldfile/2015/08/05/1360614_01.pdf
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