求職者支援訓練の倍率は分野別にどれくらい?デザイン・IT・介護の入りやすさ【2026年10月確認】

求職者支援訓練の応募倍率は、全国で1.06倍でした(2024年度(令和6年度)・厚生労働省)。仕事に直結する「実践コース」を分野別に見ると、デザインが1.39倍で最も高く、介護・医療・福祉は0.74倍です。デザインは、Webデザインだけでなくデザイン分野全体の集計で、希望するWebコースの倍率とは違います。

ただ、合否の見通しを立てるなら、分野の平均より申し込むコースの数字が役に立ちます。東京都の委託訓練では、同じWeb系でも1.00倍のコースと0.55倍のコースがありました。

2026年10月9日時点の情報です(一部は10月10日・12日に再確認)。

職業訓練を初めて調べる人は、職業訓練とは・はじめての流れから読むと、自分に合うページが分かります。

倍率より先に比べること

倍率は、定員に対してどれくらい応募があったかを示す数字です。自分が合格する確率を示すものでも、そのコースが自分に合うかを示すものでもありません。コースを選ぶときは、先に次の4つで比べてください。

  • 仕事の中身:修了後に応募したい求人と、カリキュラム・取れる資格が合っているか(募集案内の「訓練内容」「取得できる資格」の欄)
  • 就職支援と修了した人の就職先:応募書類の添削や面接の練習があるか。修了した人がどんな仕事に就いたか(見学会や説明会で聞けます)
  • 通学の条件:場所、時間帯、通所かオンラインか、託児があるか
  • 選考の方法:書類・筆記・面接のどれがあるか(面接で見られること)

倍率は、候補を絞ったあとに、落ちたときの次の手を決める材料として使います。訓練の申込みと、訓練中の生活費の給付は、別々に確かめることです。雇用保険の基本手当は、今お金が出ているかだけでなく、受給資格と支給の状況をハローワークで確かめてください。支給の終わりが近い人は、その相談のときに希望のコースと開始日も伝えて、早めに動きます(公共職業訓練と求職者支援訓練の違い)。

全国の数字は「実践コース」の分野別

求職者支援訓練には、社会人の基礎を学ぶ「基礎コース」と、仕事に直結する技能を学ぶ「実践コース」があります。全国1.06倍は、この2つを合わせた数字です。分野別の倍率は、実践コースの内訳として公開されています。

実践コースの分野 応募倍率
デザイン(分野全体) 1.39倍
理容・美容 1.25倍
その他 1.05倍
IT 1.03倍
営業・販売・事務 1.03倍
医療事務 0.86倍
介護・医療・福祉 0.74倍
実践コース全体 1.10倍
(参考)基礎コース 0.85倍
(参考)求職者支援訓練の全体 1.06倍

倍率は、応募した人数を定員で割った数字です。1.00倍なら、定員と同じ人数が応募しています。どれも2024年度中に始まったコースの集計です(厚生労働省「令和6年度 求職者支援訓練実績」)。

事務の分野で学べることは事務・パソコンの職業訓練、ポリテクセンターなどのものづくりの分野で学べることはものづくりの職業訓練(ポリテクセンター)で紹介しています。

公共職業訓練の全国の数字

ポリテクセンターや都道府県の訓練など、公共職業訓練(離職者向け)の全国の応募倍率は、厚生労働省の「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」に載っていません(2026年10月12日に再確認)。全国でまとめたほかの資料も、見当たりませんでした。

詳細版に載っているのは、定員に対して実際に受講した人の割合(定員充足率)です。2024年度(速報値)は次のとおりでした。

  • 施設内訓練(ポリテクセンター、県の職業能力開発校など):74.1%
  • 委託訓練(県が民間の学校などに委託する訓練):70.0%

定員充足率は、応募した人数ではなく受講した人数から出した割合なので、倍率の代わりにはなりません。全国で平均すると定員がすべて埋まっているわけではない、という目安です。

国の「令和8年度 全国職業訓練実施計画」は、2024年度の離職者向けの公的職業訓練について、デザイン分野の応募倍率は「公共職業訓練では低下している一方、求職者支援訓練では上昇している」と書いています。介護・医療・福祉分野の応募倍率は「約70%」としています。どちらも、公共職業訓練の分野ごとの数字は載っていません。地域の数字は、次の東京都・埼玉県の資料が手がかりになります。

東京都・埼玉県の分野別

東京労働局と埼玉労働局は、地域の訓練計画を決める資料で、2024年度の分野別の応募倍率を出しています。資料の%は倍に直しました。

  • 東京都・委託訓練(公共職業訓練):デザイン1.12倍、IT0.96倍、介護・医療・福祉0.75倍
  • 東京都・求職者支援訓練:デザイン1.70倍、IT0.93倍、介護・医療・福祉0.80倍
  • 埼玉県・委託訓練:介護分野0.58倍。IT・デザインは「前の年より低下」とだけあり、数字はありません

東京都では、同じデザイン分野でも、委託訓練と求職者支援訓練で倍率に差があります。全国で2つの訓練を比べた資料は、2026年10月時点で見当たりません。

分野の平均より、コースの数字

東京都は、委託訓練のコースごとの定員と申込人数を毎月公開しています。2026年9月入校生から、いくつかのコースを抜き出しました(申込人数/定員、倍率)。

  • フードビジネス科:39/28(1.39倍)
  • AI活用React・Javaシステム(オンライン)科:34/30(1.13倍)
  • 初歩からのビジネス経理事務DX科:33/30(1.10倍)
  • 医療事務・医師事務作業補助・調剤事務科:21/20(1.05倍)
  • WEBデザイン科:24/24(1.00倍)
  • Webクリエイター養成科:12/22(0.55倍)
  • 一般・OA事務科:13/30(0.43倍)
  • 介護初任者研修・福祉用具専門相談員養成科:8/24(0.33倍)
  • 離職者等再就職訓練の合計:529/680(0.78倍)

東京都の表は、倍率を「申込人数÷定員」で出しています。定員30人に34人が申し込めば1.13倍です。

同じ科目でも、時期によって内容や実施施設が変わり、倍率も大きく変わります。東京都のページにも、そうした注意書きがあります。過去の数字は、次の募集を考えるときの目安として見てください。

資格を取る1〜2年の訓練は、科目による差がさらに大きくなります。2026年4月入校生の例です(申込人数/定員、倍率)。

  • 介護福祉士養成科(合計):40/82(0.49倍)
  • 保育士養成科(合計):228/402(0.57倍)
  • 専門人材育成訓練(合計):587/507(1.16倍)
  • うち税理士科:76/30(2.53倍)

1倍を下回っていても、受かるとは限らない

倍率が1倍未満でも、合格が約束されるわけではありません。選考では、倍率とは別に、受講の要件を満たしているかが見られます。たとえばポリテクセンター岐阜は、筆記試験と面接で次の4つを見ています。

  • 訓練に関わる仕事への就職を希望していること
  • 受講への熱意があること
  • 訓練の内容を理解できる基礎学力があること
  • 受講・修了に支障がないこと

一つでも満たさないと、定員に空きがあっても受講を見合わせることがあります。面接で見られることは、この4つと東京都の合否の決め方から準備できます。

反対に、応募が少なすぎるコースは中止になることがあります。求職者支援訓練は、応募者が定員の半数に満たないと中止されることがあります(厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり」)。東京都の2026年4月入校生の応募状況にも、申込が0人のコースが2つありました。

倍率と就職率は別の数字

応募倍率だけでは、就職しやすさは判断できません。下の就職率は、制度や地域によって集計のしかたが違います。また、応募倍率は2024年度に始まったコース、求職者支援訓練の就職率は2024年度に終わったコースの集計で、同じ受講者を追った数字ではありません。倍率が就職率を左右する、とは言えません。

数字は、制度ごとに分けて見てください。どれも2024年度の数字です。

全国・求職者支援訓練(実践コース)

  • デザイン:57.8%
  • IT:62.6%
  • 介護・医療・福祉:71.1%

数え方:2024年度中に終わったコースについて、訓練が終わって3か月後に雇用保険に入る仕事に就いていた人の割合です。分母には、修了した人のほか、就職を理由に途中で退校した人なども入ります。訓練が終わった日に65歳以上の人は、分母からも分子からも除きます(厚生労働省「令和6年度 求職者支援訓練実績」)。

全国・公共職業訓練(委託訓練)

  • デザイン:68.9%
  • IT:70.0%
  • 介護・医療・福祉:83.4%

数え方:2024年度末までに訓練を修了した人の、3か月後の就職状況です。速報値です(厚生労働省「ハロートレーニングの実施状況(詳細版)」14ページ)。

東京都・委託訓練

  • デザイン:55.7%
  • IT:56.0%
  • 介護・医療・福祉:80.3%

数え方:東京労働局は、この就職率を「訓練を修了等した者のうち就職した者の割合」としています。分母は、受講者数から途中で退校した人(就職して退校した人を除く)などを引いた数です。分子には、就職して退校した人を加えます。3か月後の時点か、雇用保険に入る仕事か、65歳以上をどう扱うかは書かれていないので、全国の数字と同じ条件かは分かりません。

どの制度でも、デザイン分野の就職率は介護・医療・福祉分野より低くなっていました。東京労働局と埼玉労働局の資料も、介護・医療・福祉を「応募倍率が低く、就職率が高い分野」、IT・デザインを「応募倍率が高く、就職率が低い分野」としています。埼玉県の委託訓練の介護分野の就職率は85.3%でした。

どの数字も就いた仕事の種類は問わないので、その分野の仕事に就いた人だけの割合ではありません。

倍率の高いコースを受けるなら

人気のコースを受けるなら、併願や第二志望の扱いを先に知っておくと、落ちたときの動き方を決められます。扱いは地域と訓練で違います。

東京都の2026年12月生の募集案内では、委託訓練はほかの公共職業訓練と併願できません。3か月訓練と育児等両立応援訓練は第二志望を書けますが、6か月訓練は第一志望の科目だけで選考します。ほかの募集月の扱いは、その月の募集案内で確認してください。ほかの地域の扱いは、申込前にハローワークで聞いてください。

不合格だったときは、翌月以降の募集や同じ分野の別のコースが次の候補になります。探し方は落ちたときに次にやることでまとめています。

自分の地域の倍率を調べる

  • 東京都:TOKYOはたらくネット「過去の応募状況」に、入校月ごとのPDFがあります
  • 埼玉県:県の「一般委託訓練(募集講座・応募状況)」のページに応募状況の欄があります。2026年10月12日に見たときは、11月開講分は「締め切りました」とだけ表示され、12月開講分の募集(10月13日〜10月29日)が案内されていました
  • そのほかの地域:各労働局の「地域職業訓練実施計画」の資料に、分野別の応募倍率が載っていることがあります

資料が見つからないときは、ハローワークの訓練窓口で、希望コースの過去の応募状況を聞くこともできます。

出典(2026年10月9日取得。一部は10月10日・12日に追加取得・再確認)

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