「いまの学校がしんどい子のために、国が認めた特別な学校があるらしい」
そう聞いて調べはじめると、たいてい途中で手が止まります。「学びの多様化学校」で検索しても、その名前の学校が出てこないからです。
出てこないのには、はっきりした理由があります。「学びの多様化学校」は制度上の分類の呼び名で、個々の学校に一律につけられた名前ではないからです。
このページでは、その学校がどういうものなのか、いまどこに何校あるのか、どうすれば入れるのかを、文部科学省の資料から整理します。あわせて、通えなかったときにほかにどんな場所があるかも紹介します。
先に、要点です
- 2026年8月17日に確認した時点で、文部科学省の一覧に84件(公立59・私立25)が掲載されています
- 制度の対象になるかどうかは、その学校か、学校を管理している機関が個別に判断します。手引きに書かれているのは判断のしかたの例で、全校共通の入学条件ではありません。実際に入れるかどうかは、定員や募集の状況にもよります
- 公立の小・中学校は授業料がかかりません(教育基本法)。高校には授業料を支援する国の制度があります。私立の学費は学校ごとに異なります
- まだ1件も掲載がない県が13県あります
学びの多様化学校とは、どんな学校か
不登校の子どもの実態に合わせて、授業時間や教える内容を変えられるようにした、正式な学校です。
ふつうの学校は、国が決めた教育課程の基準にそって授業を組みます。学びの多様化学校は、文部科学大臣の指定を受けることで、この基準によらない「特別の教育課程」を編成できます。根拠は学校教育法施行規則の第56条です(中学校は第79条、義務教育学校は第79条の6、高等学校は第86条、中等教育学校は第108条で準用されています)。
大事なのは、フリースクールなどの民間施設とは立場が違うという点です。学びの多様化学校は、学校教育法にもとづく学校として指定を受けたものです。指定を受けた学校に在籍して学ぶという形になります。民間のフリースクールは学校教育法上の学校ではないため、この点が異なります。
対象については、平成17年の文部科学省告示第98号に、こう書かれています。
……学校生活への適応が困難であるため、相当の期間小学校等を欠席し引き続き欠席すると認められる児童若しくは生徒……
——文部科学省告示第98号(平成17年7月6日・平成28年3月22日最終改正)/2026年8月17日に文部科学省の公式ページで原文を確認 ※文部科学省の告示より・原文から一部を抜き出して引用
この告示では、高等学校を退学した人などもあわせて対象に挙げられています。ここでは、不登校にあたる部分だけを引用しました。
この仕組みは、特区での取組を経て、平成17年に学校教育法施行規則の改正により全国に広がりました。その後、令和5年3月にまとめられた「COCOLOプラン」(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)などで、設置を進める方針が示されています。
「不登校特例校」から名前が変わりました
いま調べると、「不登校特例校」という言葉と「学びの多様化学校」という言葉の両方が出てきます。どちらも同じものを指しています。
令和5年8月31日に、文部科学省が名称の変更を通知しました。
なお、この度の名称変更に伴い、当該学校の制度や申請手続き等に変更が生じるものではないこと。
——文部科学省「『不登校特例校』の新たな名称について」(5初児生第17号・令和5年8月31日)/2026年8月17日に文部科学省の公式ページで確認 ※文部科学省の通知より・原文をそのまま引用
通知が述べているのは、この名称変更によって制度や手続きが変わることはない、ということです。呼び方が変わりました。
この名前の決まり方には、少し変わったところがあります。全国の当該校に通学または勤務している子どもたちと教職員から名前の案を募集し、その結果を踏まえて、令和5年8月31日に文部科学大臣から新しい名称が公表されました。
「学びの多様化学校」は、分類の呼び名です
ここが、探しても見つからない理由です。同じ通知に、こう明記されています。
今回の名称の変更は、あくまでも学校教育法施行規則第56条等に基づく指定を受けた学校という分類に対する名称を「不登校特例校」から「学びの多様化学校」に改めたもので、個別の学校に対して新たに名称を付けたものではないこと。
——文部科学省「『不登校特例校』の新たな名称について」(5初児生第17号・令和5年8月31日)/2026年8月17日に文部科学省の公式ページで確認 ※文部科学省の通知より・原文をそのまま引用
つまり「学びの多様化学校」は、そういうタイプの学校をまとめて呼ぶときの言葉です。実際の学校には、それぞれ固有の名前がついています。
通知では、ホームページなどに記載する場合の使用例として「文部科学省指定学びの多様化学校 △△市立□□中学校」という書き方が示されています。決まった書式が義務づけられているわけではなく、分類を表す言葉だと分かるようにする必要がある、という趣旨です。
文部科学省も、自治体や設置者に対して、学校の名前を「学びの多様化学校」にするよう必ずしも求めてはいません。ただし通知では、名称変更の趣旨を踏まえ、「学びの多様化学校」または各自治体が工夫した名称とするなど、適切な対応を検討してほしい、とされています。学校名にこの言葉が入っている場合もありえます。
探すときは、学校名だけで検索してもたどりつきにくいことがあります。 文部科学省が公開している設置者の一覧や、地域から探すほうが早いことが多いです。
いま、どこに何校あるか
文部科学省が設置者の一覧を公開しています。2026年8月17日に全件を確認した時点で、84件が掲載されていました。
| 区分 | 件数 |
|---|---|
| 本校型 | 32 |
| 分校型 | 12 |
| 分教室型 | 29 |
| コース指定型 | 11 |
| 合計 | 84 |

管理機関で分けると、教育委員会が59件、学校法人が25件です。7割が公立という内訳になります。
置かれている場所には、かなりの偏りがあります。掲載があるのは34の都道府県で、いちばん多いのは東京の14件です。次いで福岡が8件、神奈川が5件と続きます。
いっぽうで、まだ1件も掲載がない県が13県あります。
国は、各都道府県・政令指定都市での1校以上の設置を計画期間内に進め、将来的には分教室型も含めて全国で300校の設置を目指すとしています(令和5年6月に閣議決定された教育振興基本計画)。目標に対して、まだ増えていく途中の段階です。
※この「84」は、文部科学省の一覧に掲載されている件数です。1件の中に小学部と中学部がまとめられていたり、複数の分教室が含まれていたりする行があるため、建物としての学校の数とは一致しないことがあります。公立59・私立25という内訳も、この84件を管理機関で分けたものです。
また、一覧ページには基準日の記載がありません。ここでの件数は2026年8月17日に確認した時点のものです。増えていることがありますので、最新の情報は文部科学省の公式ページでご確認ください(下の出典1)。
お住まいの地域にあるかどうかは、こちらで調べられます。
どんな子が対象になるのか
文部科学省が設置者向けに出している手引きでは、対象を大きく2通りに分けています。
A:いま不登校の状態にある子
手引きでは「原則として、文部科学省の調査における基準等の明確な基準を設け、それに則り判断する」とされています。
B:不登校の傾向が見られる子
Aに当てはまらなくても、そのあと不登校になる可能性が高いと考えられる場合です。手引きには、こうした例が挙げられています。
- 登校はできるけれど在籍している学級に入れず、保健室や相談室で、特定の先生や友だちとしか関われない
- 在籍している学級には登校できず、教育支援センターやフリースクールなどに通っている
- 強い特性などから不登校の傾向にあり、柔軟な教育課程のもとで学習したいと希望している
いま学校に行けていない子だけが対象、というわけではないという点は、知っておくと考えやすくなります。
対象になるかどうかは、その学校か管理機関が判断します
ここが、この制度でいちばん誤解されやすいところです。手引きには、はっきりこう書かれています。
なお、入学希望の児童生徒が対象となるのかについては、当該学校又はその管理機関において、個別に判断する。
——文部科学省「学びの多様化学校の設置に向けて【手引き】」(令和6年2月改定)11ページ/2026年8月17日に文部科学省の公式ページで確認 ※文部科学省の手引きより・原文をそのまま引用
国は対象となる子どもの範囲(先ほどのA・B)を示しています。ただし、手引きが挙げているのはあくまで「行われうる取組の例」で、「何日休んだら入れる」といった一律の線を示すものではありません。制度の対象になるかどうかの判断は、その学校か、学校を管理している機関が行います。
なお、ここでいう判断は「制度の対象に当たるかどうか」です。実際に入学できるかどうかは、定員や募集の時期などにもよりますので、通いたい学校の募集の案内をあわせてご確認ください。
ですので、「うちの子は当てはまるだろうか」を家庭だけで判断しようとしなくて大丈夫です。対象に当たるかどうかを決めるのは、その学校か、学校を管理している機関です。(管理している機関は、たとえば公立なら教育委員会、私立なら学校法人にあたります)
入るまでに、何があるのか
では、対象に当たるかどうかの判断は、どのように行われるのでしょうか。手引きには、考えられる取組や確認の例が挙げられています。
- 心理的に不安の傾向などがあり、年間30日以上欠席している
- 教育委員会の「学びの多様化学校入学検討委員会」が、入学を適当だと判断した
- 一週間の体験入学での様子や面談を通して、継続して登校できると判断できる
- 本人に登校の意欲があり、保護者の理解も確認できる
「年間30日以上」という数字が出てきますが、これは判断材料の一例として挙がっているものです。すべての学校がこの基準を使っているという意味ではありません。
※ここに挙げたのは、手引きが示す「行われうる例」です。全国一律に行うものとしては示されていません。体験入学や検討委員会があるかどうかは、それぞれの学校にご確認ください。
「本人に登校の意欲があり」「一週間の体験入学」という項目を見て、気になった方もいるかもしれません。いま家から出ることが難しい状態だと、体験入学に行くこと自体がむずかしい場合があります。
ただ、これらはあくまで手引きが挙げている例で、全国一律に行うものとしては示されていません。ですので、当てはまらないと決めつけずに、まず問い合わせてみてください。
お金は、どのくらいかかるか
公立の小・中学校では、授業料はかかりません。 教育基本法に、こう定められているためです。
国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
——教育基本法(平成18年法律第120号)第5条第4項/2026年8月17日に文部科学省の公式ページで確認 ※教育基本法 第5条第4項・原文をそのまま引用
ただし、授業料以外にかかる費用(給食費・教材費など)は、この定めの対象ではありません。補助を設けている自治体もありますので、お住まいの自治体にご確認ください。
高等学校の場合は、少し事情が違います。 よく「高校無償化」と言われますが、文部科学省は「的確な表現としては、授業料を支援する『高等学校等就学支援金』です」と説明しています。授業料そのものが無料なのではなく、支援を受けられる制度があるということです。制度の対象や支給額については、文部科学省の案内や各学校・自治体にご確認ください。
私立の学費は学校によって異なります。文部科学省が令和5年に行った実態把握調査に、金額を公表した学校の実際の金額が出ています。調査の対象は令和5年4月1日時点で開校していた24校ですが、授業料の集計は学校法人が設置する学校のみが対象で、公立学校は除かれています。
| 授業料 | 授業料以外の納付金 | |
|---|---|---|
| 小学校 | 39万2千〜43万2千円(2校の幅・平均412,000円) | 平均 243,000円 |
| 中学校 | 39万〜78万円(5校の幅・平均568,400円) | 平均 388,480円 |
| 高等学校 | 平均 520,400円 | 平均 197,267円 |
注目していただきたいのは、中学校の幅が39万円から78万円まで、ちょうど倍ひらいていることです。平均値だけを見ると、実際とかなりずれることがあります。なお、これは学校が定めた額であり、支援制度を使ったあとの家庭の負担額とは異なります。
※この数字は令和5年4月1日時点の調査によるもので、金額を公表した学校法人立の学校(小学校2校・中学校5校・高等学校3校)の平均です。いま一覧に載っている84件すべての平均ではありません。授業料の集計から公立学校は除かれています。授業料以外の納付金には、入学金や設備費などが含まれます。金額がどの期間のものか(年額かどうか)は資料に明記がありませんので、各校の募集要項でご確認ください。
休んでいる間にかかるお金の全体像は、「学校を休んでいる間のお金と制度」にまとめています。
学校生活は、どう違うのか
「特別の教育課程」といっても、具体的に何が変わるのかは見えにくいと思います。手引きに、実際の数字が出ています。
1コマの授業時間の平均は、次のとおりです。
- 小学校:平均 44.0分
- 中学校:平均 48.1分
これは令和5年の調査に回答した学校の平均値です。学校ごとの内訳は公表されていないため、学校による差までは分かりません。
定期テストの扱いも学校によって違います。 中学校では、「通常通り実施している」学校が6校、「異なる形で実施している」学校が6校、「実施していない」学校が6校と、きれいに三つに分かれていました。小学校では「実施していない」学校が3校です。
スクールカウンセラーについては、学校型で常勤5校・非常勤9校という配置状況でした(この調査の対象は、令和5年4月1日時点で開校していた24校です)。
卒業したあと、進路はどうなるか
中学校を卒業したあとの進路の内訳です。文部科学省の実態把握調査(令和5年)に出ています。
| 進路 | 人数 |
|---|---|
| 高等学校 | 447人(全日制221・通信制189・定時制37) |
| 高等専門学校等 | 12人 |
| 特別支援学校高等部 | 2人 |
| 就職・アルバイト等 | 1人 |
| 家事手伝い等 | 4人 |
| その他 | 8人 |
高等学校へ進んだ447人のうち、全日制が221人、通信制が189人と、ほぼ拮抗しています。
小学校を卒業したあとは、学びの多様化学校へ進んだ子が19人、それ以外の学校へ進んだ子が9人でした。
※この調査は令和5年に行われたものです。何年度の卒業生を集計したものかは資料に明記がありません。進路の傾向を見るための参考としてお読みください。
高校進学のしくみそのものについては、「不登校でも、高校には行けます——進路の道と高校受験のしくみ」で扱っています。
在籍している子どもの数は、まだ多くありません
ここまで読んで、「よさそうだけれど、うちの子は入れるだろうか」と感じた方もいると思います。いまの規模を、数字でお伝えします。
令和5年4月1日時点で、学びの多様化学校に在籍していた子どもは全国で2,056人でした(小学生70人・中学生1,285人・高校生701人)。このうち小・中学生は1,355人です。
※この数字は、当時開校していた24校を対象にした調査によるものです。一覧の件数はその後84件まで増えているため、いまの在籍者数はこれより多い可能性があります。ただし、今回確認した文部科学省の資料の中には、これより新しい全国の在籍者数は見当たりませんでした。
不登校の小・中学生が何人いるかは、「不登校の子どもは、いま何人いる?」にまとめています。あわせてご覧ください。
※ここに挙げた在籍者数は、令和5年4月1日というある一日の人数です。不登校児童生徒数の調査とは、調べた時点も数え方も違うため、そのまま割り算して「何%の子が通えているか」を出せる数字ではありません。
在籍者数そのものは、増えてきています。平成27年は小学生20人・中学生737人・高校生545人(合計1,302人)でしたので、8年で約1.6倍になりました。これが、調査時点で分かっている在籍者数です。
運営している学校から、こんな課題が挙がっています
手引きには、実際に運営している学校から挙がった課題が書かれています。
- 転入学を希望する生徒の増加により、定員を超過して受け入れるしかない実態がある
- 通学が遠方からとなる者が多い
- 学びの多様化学校で少しずつ自信を取り戻した生徒が、高校など上級学校に適応することに壁がある
- 不登校の子の状態に合わせた指導ができる教員の確保・育成が難しく、異動を希望する教員も少ない
- 前籍校との情報交換や引き継ぎを、より充実していく必要がある
希望者が増えて定員を超えたまま受け入れている学校があること、遠方から通っている子が多いこと——どちらも、この調査で課題として挙がっている実態です。
現場で感じていること(小学校教員として)
遠方になるのは、いまの現状では仕方がない面もあるかと思います。ただ、その子に合った環境で学べるという状況はとてもいいので、今後、学校がより増えていって、さらに通いやすくなるといいなと思っています。
通うのが難しいという事情は、こうして国の資料にも挙がっています。この学校に入ることだけが答えではない、という前提で見ていただければと思います。
通えないときの、ほかの場所や学び方
近くにない、通うのが難しい——そうしたときに、ほかにも場所はあります。公的なものから順に紹介します。費用のかかり方はそれぞれ違いますので、各記事や自治体の案内でご確認ください。
- 教育支援センター(適応指導教室):教育委員会などが設置している、学校とは別の通い先です。→ 「教育支援センター(適応指導教室)とは——1日の流れと、通いはじめるまで」
- 別室登校:学校の中の、教室以外の場所で過ごす形です。→ 「別室登校とは——学校の中の居場所と、いまどのくらいあるか」
- フリースクール:民間の施設です。利用料に補助を出している自治体があります。→ 「フリースクールの補助金・助成金——お住まいの自治体にあるか、確かめ方とあわせて」
- 自宅での学習を出席として扱ってもらう:一定の条件のもとで認められることがあります。→ 「自宅での学習を「出席扱い」にするには」
学校に、どう聞けばいいか
相談先として考えられるのは、いま在籍している学校と、通いたい学校やその管理機関です。
ただし、どちらにどう相談すればよいかは、学校や地域によって異なります。 手続きの進め方も同じではありません。通いたい学校の公式の案内を見て、問い合わせ先を確かめてください。
ただ、学校に相談するときに、知っておいていただきたいことがあります。
相談を受ける側から(小学校教員として)
学びの多様化学校が話題になったことはあります。私のまわりでは、そういった学校があること自体は好意的に受け止められています。子どもの行き先が増えるからです。
ただ、正直に言うと、在籍校の側が何をするのかは、私はあまり知りません。
保護者の方から相談を受けた場合は、まず管理職に相談します。ひとまずお話をうかがって、「あとから連絡します」という形にしたうえで、学校の中で相談してから返事をすることになると思います。
つまり、担任の先生に聞いても、その場で答えが返ってこないことがあります。
制度そのものは平成17年からありますが、全国で84件という数です。近くにない地域も多く、先生が実際に関わった経験を持っているとは限りません。
ですので、その場で答えが出なくても、あわてなくて大丈夫です。
手続きの進め方は、全国共通のものとしては示されていません。 誰に何を聞けばよいかも含めて、通いたい学校の公式案内で確かめるところから始めてください。
学校どうしの引き継ぎで重視されること
手引きには、前籍校との引き継ぎを充実させる必要がある、と書かれています。私も、子どもを支援していくうえでは、次の3つがとても大切な情報だと感じています。
- どういった子か
- これまで、どういったアプローチをしてきたか
- その結果、どうなったか
これは学校どうしの引き継ぎで大切にしていることですが、ご家庭から相談されるときにも、この3つを教えていただけると受け取る側は動きやすくなります。何を話せばよいか迷ったときに、思い出していただければと思います。
まとめ
学びの多様化学校は、不登校の子の実態に合わせて授業のしかたを変えられる、正式な学校です。いまの学校とは別の学校として通える道が、制度として用意されているということです。2026年8月17日に確認した時点で、文部科学省の一覧に84件が掲載されています。
ただ、「学びの多様化学校」は制度上の分類の呼び名で、個々の学校に一律につけられた名前ではありません(学校名にこの言葉が入っている場合はあります)。探すときは、文部科学省の一覧や地域から探すとたどりつきやすくなります。
制度の対象になるかどうかは、その学校か、学校を管理している機関が個別に判断します。手引きには「心理的に不安の傾向等があり、年間30日以上欠席している児童生徒」といった例が挙がっていますが、これはA・Bの判断にあたって考えられる取組や確認の例で、全校共通の入学条件ではありません。ですので、当てはまるかどうかを、家庭だけで判断しようとしなくて大丈夫です。 なお、対象に当たると判断された場合でも、実際に入学できるかどうかは定員や募集の時期にもよります。
そして、まだ13の県には1件も掲載がありません。定員を超えて受け入れている学校があることや、遠方から通う人が多いことは、国の調査でも課題として挙がっています。通えない事情には、こうした家庭の側ではどうにもならないものも含まれます。
ほかにも場所はあります。必要な情報から、ひとつずつ確かめていただければと思います。
気になる学校が見つかったら、その学校の公式の案内を早めに見ておくと、落ち着いて考えられます。
出典
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」(取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm ※ページに基準日の記載がないため、本文の件数は取得日時点のものとして記載
- 文部科学省「『不登校特例校』の新たな名称について」(5初児生第17号・令和5年8月31日/取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/content/20230905-mxt_jidou02-100002759_a.pdf
- 文部科学省「学びの多様化学校の設置に向けて【手引き】」(令和6年2月改定/取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/content/20240304-mxt_jidou02-000004552_b.pdf ※対象・入学の判断=p.11-12/費用・在籍者数=p.24/学校生活=p.25/進路=p.28/運営上の課題=p.32
- 文部科学省「学びの多様化学校について」(学校教育法施行規則第56条等/取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397860.htm
- 文部科学省告示第98号(平成17年/取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397818.htm
- 教育振興基本計画(令和5年6月16日閣議決定)——各都道府県・政令指定都市に1校以上(計画期間内)/将来的に分教室型を含め全国300校。※本文の引用元は上記3の手引き(Ⅰ章)
- 不登校児童生徒数の最新値・推移=本サイト 「不登校の子どもは、いま何人いる?」(出典・年度・集計範囲はそちらに記載)
- 教育基本法(平成18年法律第120号)第5条第4項=公立の義務教育に授業料がかからない根拠(取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/mext_00003.html
- 文部科学省「高校生等への修学支援」=高等学校等就学支援金制度(取得日 2026-08-17) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
データ取得日:2026.08.17

