職業訓練とは?はじめての人が読む順番と、申込から受講までの流れ

職業訓練(ハロートレーニング)は、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識を身につけるための公的な制度です。受けたい人は、まずハローワークに相談します(厚生労働省「ハロートレーニング」)。

失業中の人などが受ける訓練は、原則として受講料が無料です。ただし、テキスト代・作業着代・資格の検定費用などは自分で払います(青森労働局「職業訓練制度のご案内」1ページ)。

次にやること
住所を管轄するハローワークに電話して、「職業訓練を受けたいので相談したい」と伝え、相談に行く日と、持って行くものを聞いてください。雇用保険に入っていたか分からなくても、そのまま聞いてかまいません。

2026年10月12日時点の情報です。

このページの内容

職業訓練は大きく2種類

公共職業訓練

  • 主な対象:雇用保険の受給手続き中の人。雇用保険を受給していない人も受けられます
  • 実施するところ:国のポリテクセンター、都道府県の職業能力開発校、都道府県から委託を受けた民間の教育訓練機関など
  • 訓練期間:概ね3か月〜2年(コースによって違います)

求職者支援訓練

  • 主な対象:雇用保険を受給していない人。受給手続き中の人も受けられます
  • 実施するところ:民間の教育訓練機関など(コースごとに厚生労働大臣が認定)
  • 訓練期間:2〜6か月

(厚生労働省「ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)の全体像」、青森労働局「職業訓練制度のご案内」1ページ)

愛知労働局のQ&Aには、どちらの訓練も、ハローワークが必要と認めれば失業給付の有無にかかわらず申し込める、と書かれています(Q8)。

訓練は、ハローワークが「就職のために必要」と判断したときに受けられます。そのとき、ハローワークは次の3つのどれかの扱いにします(青森労働局の案内1〜3ページ)。

  • 受講指示:基本手当(失業保険)の受給資格がある人向け。条件を満たせば、訓練中も基本手当の対象になります
  • 支援指示:求職者支援制度で訓練を受ける人向け。職業訓練受講給付金を受けるには、これが必要です
  • 受講推薦:上の2つのどちらにも当たらない人の扱いです。受講料は無料ですが、給付金はありません

どれになるかで、訓練中に受けられるお金が変わります(訓練中のお金)。

このほか、働いている人向けの在職者訓練(有料・概ね2〜5日)や、障害のある人向けの訓練もあります(厚生労働省「全体像」)。

自分はどこを読めばいい?(3つの質問)

これは、このサイトの中で読む場所を案内するためのものです。訓練やお金を受けられるかの判定ではありません。判定するのはハローワークです。上から順に当てはめてください。

① 今すぐ就職できる状態ですか?

病気・けが・妊娠・出産・育児・介護などで、今すぐ就職できない事情がある人もいます。その人は、この先の区分だけで決めずに、ハローワークで確かめてください。療養などの見込み期間と、求職の申込みをしたかどうかを伝えます。

基本手当(失業保険)の受給資格がある人の場合、病気・けがの扱いは、求職の申込みをしたあとに働けない期間で分かれます。

  • 14日以内:基本手当が支給されます
  • 15日以上続けて働けない:基本手当の代わりに、傷病手当の対象になります
  • 30日以上続けて働けない:申請すれば、働けなかった日数だけ受給期間(受け取れる期限)の延長を相談できます。傷病手当とは別の扱いです

くわしくはすぐに就職できない人・事業を始めた人にあります。

② 今、働いていますか?(パート・派遣・契約社員・自営を含む)

③ 働いていない人は、基本手当の受給資格で分かれます

  • 分からない(雇用保険に入っていたか、どれくらいの期間入っていたかが分からない)まずハローワークで、基本手当の受給資格があるかを確かめてください。窓口では次のことを伝えます。

    • 前の勤め先の名前と、働いていた期間・辞めた日(分かる範囲で)
    • 雇用保険に入っていたかどうか、自分では分からないこと
    • 職業訓練を受けたいこと

何を持って行けばよいかは、電話で先に聞いてください。前の勤め先から離職票が届いていれば、それも持って行けるようにしておきます。
確かめた結果、受給資格がある・確認中なら失業保険をもらいながら職業訓練を受ける、受給資格がないと分かったら職業訓練受講給付金の条件チェックへ進んでください

  • 受給資格がある、または確認中(離職票を出した・待期中・給付制限中・受給中)失業保険をもらいながら職業訓練を受ける → 締切に間に合う? → 合否はいつ届く?

  • 受給資格がないことをハローワークで確かめた(加入期間が足りない・雇用保険に入っていなかった)このページ後半の職業訓練受講給付金の条件(詳しく) → 職業訓練受講給付金の条件チェック → 制度の違い

  • 基本手当の支給が終わった、もうすぐ終わる受給資格がある間は、職業訓練受講給付金を受けられません。受給資格がなくなったあとは、支給要件を満たせば受けられる可能性があります。支給が終わる前にハローワークに相談して、必要な手続きをしてください(厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり」25ページQ7)。

    • もうすぐ終わる人:受けたいコースの開始日によっては、訓練中も基本手当の対象になる仕組み(受講指示)が使える場合があります。希望のコースと開始日を伝えて、早めに相談してください(失業保険をもらいながら職業訓練を受ける)
    • すでに終わった人:支給が終わったことは、受給資格がないことと同じとは限りません。受給資格が残っていないかと、給付金に移る手続きをハローワークで確かめてください
    • 確かめた結果、受給資格がある・確認中なら失業保険をもらいながら職業訓練を受ける、受給資格がないと分かったら職業訓練受講給付金の条件(詳しく)へ進んでください
    • 自営業・フリーランスをやめたハローワークで、次の2点を確かめてください。

    • 以前に勤めて辞めた仕事による、基本手当の受給資格が残っていないか

    • 事業を始めた人などの受給期間の特例(下の節)に当たらないか

受給資格がある・確認中なら失業保険をもらいながら職業訓練を受ける、受給資格がないと分かったら職業訓練受講給付金の条件(詳しく)へ進んでください。分からないときは、上の2点を確かめてから読む場所を決めてください

申込から受講までの流れ

青森労働局(ハローワーク三沢)の案内に載っている流れです。手順や必要な相談の回数は、地域やコースで違います。

  1. ハローワークで相談する:制度の説明を受け、訓練が必要かを確かめる
  2. コースを決める:受講申込用紙を受け取り、給付の制度を使うかを確かめる
  3. 申し込む:申込用紙をハローワークに出す。求職者支援訓練は、ハローワークに出したあと訓練施設にも出す必要がある
  4. 選考を受ける:訓練施設の選考(書類選考・面接など)を受け、合格発表を待つ
  5. 訓練前の説明:訓練開始前の指定された日に来所する
  6. 受講を始める
  7. 受講中もハローワークで職業相談:公共職業訓練はハローワークから指示があった日に、求職者支援訓練は原則として月1回の指定来所日(ハローワークへ行く日)に来所する

申込の前に、ハローワークでの相談が何回か必要な地域があります。締切日に初めて行っても申し込めないことがあるので、動き始める時期は締切に間に合う?(相談の回数と逆算表)で確かめてください。

選考について、愛知労働局のQ&A(Q11)には次のことが書かれています。ほかの地域も同じとは限らないので、選考の方法は、希望するコースの募集案内で確かめてください。

  • 訓練施設の選考・適性検査(学科試験・面接など)に合格する必要がある。定員に関わらず、選考基準に満たないと不合格になる場合がある
  • 公共職業訓練で適性検査の合格者が定員を超えた場合は、抽選になる
  • 応募者が最少の開講人数に満たないと、開講しない場合がある

選考の準備は面接で聞かれること、競争率の見方は倍率の調べ方、合否の時期は合否はいつ届く?、合格しなかったときは落ちたときに次にやることが参考になります。

合格した人の入校手続き・初日の持ち物・費用・欠席時の連絡は、入校前の準備にまとめています。

コースの探し方

ものづくりの仕事を目指す人

国のポリテクセンター(職業能力開発促進センター)は、主にものづくり分野の訓練(金属加工科、住環境計画科など)を行っています(厚生労働省「全体像」)。都道府県ごとのセンターは、高齢・障害・求職者雇用支援機構のポリテクセンター一覧から各センターのページへ進めます。都道府県の職業能力開発校にも、地域に合わせた訓練(木工科、自動車整備科など)があります。

小さい子どもがいて通うのが難しい人

託児サービスを利用できる訓練や、在宅での授業が中心のeラーニングのコースもあります(青森労働局の案内4ページ)。最初の相談で伝えてください。ひとり親の人はひとり親の職業訓練も参考になります。

障害のある人へ

障害のある人を対象に、その状況に配慮した職業訓練が行われています。受講したい人は、近くのハローワークに相談するよう案内されています(厚生労働省「ハロートレーニング(障害者訓練)」)。

厚生労働省のページには、国立職業リハビリテーションセンター、各地の障害者職業能力開発校、障害者の訓練コースがある一般の職業能力開発校、身近な地域で企業や社会福祉法人などに委託して行う訓練が載っています。

このサイトでは、障害のある人向けの訓練の制度は詳しく説明していません。どの訓練が合うかは、ハローワークで相談してください。

訓練中のお金

訓練中のお金は、基本手当(失業保険)の受給資格があるかどうかで、使う制度が分かれます。受けられるかを決めるのはハローワークです。条件を読んで、自分で「対象外」と判断しないでください。

基本手当の受給資格がある人:受講指示と訓練延長給付

受講指示を出すかどうかを決めるのはハローワークです。受給期間などによっては、訓練中の給付を受けられないこともあります。詳しい説明は下を開いてください。

受講指示と訓練中の基本手当の詳しい説明を開く
  • 対象になる人:雇用保険の基本手当の受給資格がある人で、ハローワークの受講指示を受けて公共職業訓練など(求職者支援訓練の場合もあります)を受ける人
  • 条件:
    • 受講指示には、訓練開始前日の時点の支給残日数について所定の条件があります。ただし、残日数だけでは決まらず、訓練が必要かどうかなどもハローワークが判断します
    • 受講指示を受け、失業の認定など基本手当の支給条件を満たす場合は、訓練中の基本手当の対象になります。訓練延長給付(訓練中に所定給付日数が尽きても、訓練が終わる日まで基本手当が延びる仕組み)の対象にもなります
  • 当てはまらない場合・注意:受給期間などによっては、訓練中の給付を受けられない場合があります。就職・就労・欠席・退校などで、支給の対象が変わります。受講指示を受けて受講する間は、職業訓練受講給付金の対象ではありません
  • 窓口で確認すること:希望のコースと開始日をハローワークに伝え、自分に当てはまる条件・支給の対象になる期間・申告と認定の手続きを確認してください

(青森労働局「職業訓練制度のご案内」2ページ、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、愛知労働局「職業訓練制度Q&A」Q9)

給付制限の解除や受講手当などは、失業保険をもらいながら職業訓練を受けるで説明しています。

給付を受けられなくても、訓練は受けられる場合がある

上のどちらの給付も受けられない場合でも、受講料無料の訓練を受けられる場合があります。青森労働局の案内では、公共職業訓練を受け、受講指示と受講給付金の要件のどちらにも当たらない人は「受講推薦」という扱いになり、受講料は無料で、給付金の支給はないと説明されています(3ページ)。受講料が無料でも、テキスト代・作業着代・資格の検定費用などは自己負担です(同1ページ)。自分がどの扱いになるかは、ハローワークで確かめてください。

すぐに就職できない人・事業を始めた人(基本手当の受給期間)

病気・けが・妊娠・出産・育児などですぐに就職できない人と、離職後に事業を始めた人の、基本手当の扱いです。受け取れる期限の延長などを決めるのはハローワークです。すぐに就職できない間は、基本手当を受けられません。受給期間は原則として離職日の翌日から1年です。求職の申込みをしたあと、病気・けがで15日以上続けて働けないときは傷病手当、30日以上続けて働けないときは受給期間の延長を申請できます(申請には期限があります)。詳しい説明は下を開いてください。

受給期間と延長の詳しい説明を開く
  • 対象になる人:基本手当の受給資格がある人で、次のどちらかに当たる人
    • 病気・けが・妊娠・出産・育児などで、すぐには就職できない人
    • 離職後に事業を始めた(事業やその準備に専念し始めた)人
  • 条件:
    • 基本手当の対象は、就職しようとする積極的な意思と、いつでも就職できる能力があるのに仕事に就けない「失業の状態」の人です。病気やけが、妊娠・出産・育児などですぐに就職できないときは、基本手当を受けられません
    • ただし、病気・けがは期間で扱いが分かれます
      • 求職の申込みをしたあと、病気・けがで働けない期間が14日以内の場合:基本手当が支給されます
      • 求職の申込みをしたあと、15日以上続けて働けない:基本手当の代わりに傷病手当(日額は基本手当と同じ)の対象になります
    • 受給期間(受け取れる期限)は、原則として離職日の翌日から1年間です。所定給付日数330日の人は1年と30日、360日の人は1年と60日です
    • 30日以上続けて働けないときは、働けなかった日数だけ受給期間を延長できます(延長できるのは最長3年間)。延びるのは受け取れる期限です。受け取れる日数(所定給付日数)は、離職時の年齢・被保険者期間・離職理由などで決まります
    • 事業を始めた人などの特例:事業を行っている期間などを、最大3年間、受給期間に数えません。次の要件をすべて満たす必要があります
      • 離職日の翌日以後に始めた事業である(離職日以前に始めた事業に、離職日の翌日以後に専念する場合を含む)
      • 事業の実施期間が30日以上
      • 事業の開始日・専念し始めた日・準備に専念し始めた日のどれかから数えて30日たつ日が、受給期間の最後の日以前
      • その事業について、就業手当・再就職手当を受けていない
      • 自立できないと認められる事業ではない
  • 当てはまらない場合・注意:
    • 所定給付日数330日の人が延長できるのは最大3年−30日、360日の人は最大3年−60日です
    • 受給期間を延長したあとに、同じ病気・けがで傷病手当を申請すると、支給日数は延長がなかった場合の日数が限度になります
    • ほかの法令で似た給付を受ける日は、傷病手当は支給されません
    • 事業開始等の特例の申請期限には、例外があります(下の「窓口で確認すること」)
  • 窓口で確認すること:住所を管轄するハローワークに申請します(代理人・郵送も可)。療養などの見込み期間と、求職の申込みをしたかどうかを伝えて確認してください
    • 延長:30日以上働けなくなった日の翌日以降、早めに申請するのが原則です。延長後の受給期間の最後の日までなら申請できます
    • 傷病手当:働けない理由がなくなったあとの最初の認定日までに、傷病の認定を受けます
    • 事業開始等の特例:原則として、事業を開始した日・事業に専念し始めた日・事業の準備に専念し始めた日の翌日から2か月以内に申請します。ただし、就業手当または再就職手当を申請して不支給になった場合は、その申請日を特例の申請日として申請できます

(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)

職業訓練受講給付金の条件(詳しく)

給付金を受けられるかを決めるのはハローワークです。条件を読んで、自分で「対象外」と判断しないでください。収入・世帯・資産・欠席・来所について迷うことがあれば、自分で計算せず、事前にハローワークで確認してください。

基本手当の受給資格がある間(給付制限中を含む)は、職業訓練受講給付金は受けられません。初回の振込までには時間がかかり、その間の生活費は給付金ではまかなえません。支給額は、いつも満額とは限りません。事前審査が遅れると、支給が遅れたり受けられなくなったりすることがあります。初回の支給申請は、原則として受講開始から2か月目の指定来所日です。受講の申込みと一緒に、早めに相談してください。出席や来所の決まりを守らないと支給されないことがあり、繰り返すと、返還を求められることもあります。

給付金の条件・金額・申請の詳しい説明を開く

以下の「受け取るための条件」は原則の条件です。通所手当だけ受けられる場合や、欠席などの特例は、続く小見出しで説明しています。

誰が対象になる?

求職者支援制度の訓練を受ける人で、原則として次の4つすべてに当たる人です。

  • ハローワークに求職の申込みをしている
  • 雇用保険の被保険者・受給資格者でない
  • 労働の意思と能力がある
  • 職業訓練などの支援が必要だとハローワークが認めた

働いている人も、自動的に対象になるわけではありません。雇用保険に入って働いている人は、原則としてこの要件に当たりません。雇用保険に入って働いている人が受けられる例外があるかは、このサイトでは確認できていません。

給付金を受けるには、ハローワークの「支援指示」(就職支援計画書の交付)が必要です。基本手当の受給資格がある人は、支援指示ではなく受講指示で求職者支援訓練を受ける場合があります。その場合は基本手当の側の扱い(基本手当の受給資格がある人のお金)になり、職業訓練受講給付金の対象ではありません。

対象者の例として、次のような人が挙がっています。例に当てはまっても、上の4つの要件を満たすかは別に判定されます。

  • 雇用保険に加入できなかった人
  • 雇用保険の受給中に再就職できないまま、支給が終わった人
  • 加入期間が足りずに、失業給付を受けられない人
  • 自営業を廃業した人
  • 就職が決まらないまま、学校を卒業した人
  • すぐには転職せず、働きながらスキルアップを目指す人

在職中の人では、給付金を受けて受講する例に「一定額以下の収入のパートで働きながら、正社員への転職を目指す人など」、給付金を受けずに受講する例に「働いていて一定の収入がある人など」が挙がっています。病気・けが・育児・介護などで今すぐ就職できない事情がある人は、そのことを先にハローワークに伝えてください。

受け取るための条件

次のすべてを満たして、初めて支給されます。判定は、支給単位期間(原則として訓練開始日から1か月ごとの区切り)ごとに行います。

  1. 本人の収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月30万円以下
  3. 世帯の金融資産が300万円以下
  4. 今住んでいるところ以外に、土地・建物を持っていない
  5. 出席の要件を満たす(下の「出席・指定来所日・就職支援」)
  6. 同じ世帯で、同時に職業訓練受講手当を受けて訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に、偽りや不正な行為で特定の給付金を受けたことがない(どの給付が対象かはハローワークで確認)
  8. 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない(前に受けた最初の支給単位期間の初日から数える)

収入・世帯・資産の数え方

  • 収入:手取りではなく、税金などが引かれる前の金額です。給与(賞与を含む)のほか、事業収入(個人事業と不動産賃貸は経費を差し引いた額)・年金・仕送り・養育費なども含みます。一部は算定の対象外です。年金などで、支払う時期が制度で決まっていて本人が変えられないものが複数月分まとめて支給されたときは、月数で割った額をその期間の収入として扱います
  • 養育費:原則として収入に含めます。ただし、客観的な書類によって、子の養育という特定の使い道のために支払われていると確認できる場合は、収入から除かれます。どの書類が当てはまるか、どう扱われるかは、ハローワークで確認してください。税や児童扶養手当など、ほかの制度の収入判定と同じ扱いとは限りません
  • 世帯:住民票の世帯とは限りません。本人と、同居しているか生計が同じで別居している配偶者(内縁を含む)・子・父母です。20歳未満で学校に通っている子(就学前の子を含む)の収入は、0円とみなされます
  • 金融資産:預貯金だけでなく、現金・債券・株式・投資信託なども含みます

大規模災害の被災者・DV被害者・住居を失った人(訓練開始前までに安定した住居を持つ見通しが確認できる場合に限る)は、住所や世帯を確認する書類について、柔軟な扱いがあります。DV被害者に限り、住民票では同じ世帯でも実際には別居していて、配偶者などから月10万円を超える援助を受けていなければ、その配偶者などの収入・資産を世帯に含めません。特例に当たるかは、ハローワークで確認してください。

収入が基準を超える人・前に受けたことがある人

  • 本人の収入(月8万円以下)・世帯全体の収入(月30万円以下)の基準のどちらかを超えても、次の3つをすべて満たせば、通所手当だけ対象になる場合があります。本人8万円以下・世帯30万円以下の基準を満たす人は、この特例ではなく、職業訓練受講手当を含めて通常どおり判定されます
    • 本人の収入が月12万円以下
    • 世帯全体の収入が月34万円以下
    • 上の条件の3〜8と、通所手当そのものの要件(認められる経路・方法など)を満たす
  • 職業訓練受講手当・通所手当・寄宿手当のいずれかを受けた場合(通所手当だけの場合を含む)、その最初の支給単位期間の初日から6年たつまでは、次の訓練でいずれの手当も受けられません(しおり9ページ)(例外は次の項目)
  • 過去6年以内に給付金を受けたことがあっても、やむを得ない理由で訓練を途中で退校した人は、受けたことがあるとはみなされません。ほかの受給歴も含めてどう適用されるかは、ハローワークで確認してください

出席・指定来所日・就職支援

支給の条件とは別に、次のことが必要です。

  • 毎月の指定来所日にハローワークへ来所し、職業相談を受ける(支給の申請もこの日に行う)
  • 就職支援計画書に書かれた、必須の求職活動を行う
  • ハローワークの就職支援を、正当な理由なく拒否しない(紹介された求人の面接に行かないことなども含む)

これらを守らないと、支給されません。繰り返すと、支援指示の取消しや、訓練初日にさかのぼった返還命令がありえます。

訓練の側にも、全訓練期間の出席率が8割に満たない場合などに退校処分を受けることがある、という決まりがあります。給付金の出席の決まりは、基本手当の支給条件や、訓練の修了・退校の基準とは別のもので、次のとおりです。

  • 出席は支給単位期間ごとに判定します。その期間の訓練実施日すべてに出席する必要があります(入校式・修了式・就職支援なども含む)。やむを得ない理由の欠席がある場合も、その期間の8割以上の出席が必要です。訓練の全期間で8割あればよい、という意味ではありません
  • eラーニングなど、実施日が決まっていない科目を含む訓練は、時間数と所定の計算式で判定します(日数で8割ではありません)。原則として、すべての訓練時間を受講する必要があります。やむを得ない理由で受講しなかった時間がある場合も、訓練時間の8割以上を受講し、所定の計算式を満たす必要があります。動画を倍速で見て、やむを得ない理由なく実際の受講時間が足りないと、不支給になります
  • やむを得ない理由の欠席は、ハローワークがあらかじめ決めた理由(本人の病気・けが、親族の看護・介護など)に限られ、証明書類が必要です
  • やむを得ない理由のない欠席があると、原則としてその期間は支給されません
  • 正当な理由のない就職支援の拒否(必須の求職活動をしない、紹介された求人の面接に行かない、など)も、支給されない理由になります
  • 次のことを繰り返すと、以後も支給されないうえ、支援指示の取消しや、訓練初日にさかのぼった返還命令がありえます
    • やむを得ない理由のない欠席
    • 正当な理由のない不来所
    • 正当な理由のない、必須の求職活動の不履行
    • そのほかの、正当な理由のない就職支援の拒否
  • 病気などやむを得ない理由の欠席で出席が8割に満たなかった場合は、この「繰り返し」には含まれません(その期間は不支給です)

次の場合は、扱いが変わることがあります。

  • インフルエンザなどへの感染、ひとり親が小学生以下の子の突然の病気・けがを看護する場合(本人の父母などが世帯にいないことなどの条件あり)、親族の葬儀などは、証明書類の確認を受けて訓練実施日から除外できる場合があります
  • 次の人は、やむを得ない理由以外の欠席があっても、その期間の8割以上出席などの要件と、ほかの支給要件をすべて満たせば、欠席に応じて減額して支給される場合があります
    • 求職者支援訓練の基礎コースを受けている人
    • 小学生以下の子(障害のある子は18歳未満)を養育している人
    • 要介護2相当以上の一定の親族を、2週間以上にわたって常に介護している人
  • 指定来所日は、訓練の欠席とは別に扱います。やむを得ない理由で行けないときは、事前に連絡すれば日を変えられます。やむを得ない理由なく来所しないと、次回以降の給付金が支給されません。上の3種類の人はこの扱いから除かれますが、来所しなくてよくなるわけでも、支給が保証されるわけでもありません

欠席や不来所の前に(間に合わなければ速やかに)ハローワークへ連絡し、やむを得ない理由に当たるかと、必要な証明書類の説明を受けてください。出席率を自分で計算して、対象外と判断しないでください。

金額

  • 職業訓練受講手当:月10万円
  • 通所手当:通所経路に応じた所定の額(上限あり)
  • 寄宿手当:月10,700円。訓練のために同居の配偶者などと別居して寄宿し、その必要性をハローワークが認めた場合だけ

支給単位期間が28日未満のときは別に計算するため、いつも満額とは限りません。基本手当の受給資格がある間(給付制限中を含む)は、職業訓練受講給付金を受けられません。

申請と初回の振込

職業訓練受講給付金を受けようとする人の、申請と振込の決まりです(厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり」3・12〜14ページ)。

  • 対象になる人:職業訓練受講給付金を受けようとする人
  • 条件:
    • 事前審査が必要です。受講の申込みと同時にもでき、出席以外の支給要件を審査します
    • 支給単位期間(原則として訓練開始日から1か月ごとの区切り)ごとに、指定来所日(月1回)に、職業相談のあとで支給申請をします。申請のたびに、その期間の本人・世帯の収入(税引き前)と、事前審査のときからの世帯・資産などの変化を申告します。迷うときは「変更あり」にして窓口で聞いてください。正しく申告しないと、不正受給に問われることがあります。初回の支給申請は、原則として受講開始から2か月目の指定来所日です。指定来所日の日付は、就職支援計画書に書かれています(しおり7ページ)
    • 振込は、支給決定の1週間〜10日程度あとが目安です
  • 当てはまらない場合・注意:事前審査が遅れると、支給が遅れたり、受けられなくなったりすることがあります。確認することがあると、支給決定までに日数がかかることがあります。初回の振込までは、この給付金でまかなえない期間があります
  • 窓口で確認すること:必要な書類(世帯全員の収入の証明など)と日程を、早めにハローワークで確認してください

ほかの給付との関係・給付なしで受講する場合

  • 職業訓練受講給付金は、ほかの給付や融資を受けていることを理由に、止められたり減らされたりはしません(収入・資産の要件を満たさなくなる場合を除く)。ただし、ほかの制度の側で止められたり減らされたりする可能性があります。生活保護・給付型奨学金などを受けている人も含めて、自分の状況をハローワークで確認してください
  • 給付金の要件を満たさなくても、受講料無料の訓練を受けられる場合があります。無料なのは受講料で、教材費などは自己負担です

(しおり1〜3・7・9〜16・19〜24・26ページ、厚生労働省「求職者支援制度のご案内」、同「求職者支援制度に関するよくあるご質問」Q14・Q15)

出典(2026年10月12日に原文を確認)

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